演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

頭頸部領域と胸部食道の同時性重複がんに対する治療戦略

演題番号 : OS9-2

[筆頭演者]
大幸 宏幸:1 
[共同演者]
林 隆一:1

1:国立がん研究センター東病院

 

頭頸部領域と胸部食道の同時性重複がんに対して、共に化学放射線治療を行うことは広範囲な脊椎への照射のため不可能である。また、開胸開腹による3領域郭清を伴う胸部食道がん手術に再建を伴う頭頸部がんの手術を同時に行うことも困難を極める。当院では、化学放射線療法では長期生存者を認めないことより、耐術性を認めた場合は積極的に同時切除を行っている。当院における同時切除の周術期治療成績と遠隔成績から治療戦略を検討した。【対象】2006年から2013年までに、再建を必要とする頭頸部癌と胸部食道癌の同時切除症例20例を対象にした。頭頸部癌は下咽頭癌/頸部食道癌/喉頭癌 /舌癌=12/4/3/1、T因子はT1/2/3/4=1/7/2/10、N因子はN0/1/2b/2c=5/6/3/6で臨床病期はstageI/II/III/IV=1/3/2/14であった。重複した胸部食道癌は、Ut/Mt/Lt=3/12/5、T因子はT1/2/3=8/1/11、N因子はN0/1=8/12で臨床病期はstageI/II/III/IV=6/6/6/2であった。【結果】 頭頸部癌に対して、18例に咽頭喉頭全摘、1例に喉頭温存下咽頭部分切除、1例に舌根部分切除を行った。再建方法は、舌根部分切除例に対しては局所皮弁、16例に遊離空腸移植による再建を行い、3例は食道再建に使用した右結腸を使用し頸部で回結腸動静脈吻合を行った。胸部食道癌に対しては10例に右開胸、4例に胸腔鏡、6例に非開胸による食道切除が行われていた。手術時間中央値は582分(398-739)で、11例(55%)に合併症を認めたが術死は認めず、術後在院日数中央値は27日(16-117)であった。再発は10例(50%)に認め、局所/遠隔/両方=3/5/2であり(局所;頸部/咽頭後リンパ節=1/2)、1年以上経過症例(生存期間中央値:787日)での1年生存率は64%であった。【考察】頭頸部領域と胸部食道の同時性重複がんに対する同時切除は、過大侵襲を伴う手術であるが適応を限定し行えば安全に遂行でき局所はコントロール可能である。遠隔再発が多いことより、術前補助化学療法を含めた集学的治療が必要と考え現在行っている。

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