演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

オキシコドン注射剤の特徴と注意点

演題番号 : OS8-3

[筆頭演者]
樋口 比登実:1 

1:昭和大学病院 緩和医療科

 

2012年5月27日に待望のオキシコドン注射薬が導入された。オキシコドンは腎機能障害を合併するがん疼痛に対して安全に使用可能な薬剤であり、潜在的に腎機能の低下がみられる高齢者にも比較的使用しやすい薬剤であることから、オキシコドン徐放錠の発売後、使用量は急速に増加してきた。さらに難治性疼痛のひとつである神経障害性疼痛に対してのオキシコドンの有効性が報告されており、腎機能障害や神経障害性疼痛、その他の因子により経口オキシコドンを使用してきた患者においては、オキシコドン注射薬へのローテーションを望む声が大きくなっていた。今回の発売により、モルヒネ・フェンタニル・オキシコドン全ての注射薬が揃うことになり、ますます痛みの管理の質が高まったといえよう。 しかし使用に関し留意点がある。経口投与されたオキシコドンは,初回通過効果を受けにくく,生体内利用率は50~90%程度と高い数値が示されている。このため,経口投与と静注あるいは皮下注の変更で換算がモルヒネと大きく異なることに十分注意する必要がある。すなわち、経口投与の場合、モルヒネの生体内利用率は20-30%と低く、等鎮痛用量で両薬剤を経口投与した場合、オキシコドンの方が全身循環に移行する薬剤量が多くなるため、投与量は少なくなる(例:経口モルヒネ60mg=オキシコドン40mg、換算比1:2/3。しかし注射剤の場合は,モルヒネとオキシコドンの換算比は,1:1.25で,オキシコドン投与量の方が多くなる)。また現在1%オキシコドン注射薬のみである為、臨床では高濃度製剤の導入が待たれている。多くのオピオイドが導入されているが、それぞれの薬剤の特徴を把握し、投与経路・薬剤などの換算比に十分注意しながら、個々の患者にあった薬剤の選択・ローテーションを行うことで、患者・家族のQOLの向上に努めたいと考えている。

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