演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌患者血中遊離microRNAを指標とした次世代個別化バイオマーカーの探索と展望

演題番号 : OS5-2

[筆頭演者]
小松 周平:1 
[共同演者]
市川 大輔:1、小西 博貴:1、辻浦 誠浩:1、森村 玲:1、村山 康利:1、塩崎 敦:1、栗生 宜明:1、生駒 久視:1、窪田 健:1、中西 正芳:1、藤原 斉:1、岡本 和真:1、阪倉 長平:1、大辻 英吾:1

1:京都府立医科大学 消化器外科

 

【はじめに】腫瘍動態のモニタリングを可能とする腫瘍マーカーの存在が、胃癌再発患者の効果的な治療方針選択や予後延長に寄与している可能性があり、その傾向は近年の臨床試験で新規抗癌剤治療の有用性が高いと考えられている腹膜再発でより顕著であることを報告した(Anticancer Res 2013)。しかし、従来の腫瘍マーカーの感度は低く、さらに個々の患者に応じた有用なバイオマーカーがあれば、個別化医療の実現と費用対効果の高い医療の実践が可能である。我々は、担癌患者の末梢血液中には、腫瘍組織から遊離した癌細胞以外に、遊離した核酸も比較的安定した状態で存在することに注目し、この分野で臨床応用を目指して血中遊離DNAのメチル化或いは増幅を指標とした次世代の個別化バイオマーカー探索を行い、その有用性を報告してきた(J Surg Oncol 2004, Br J Cancer 2010他)。最近では、ヒトゲノムでは1000種類以上同定されている短鎖型non-cording RNAであるmicroRNA(miR)に注目し、食道癌・胃癌・膵癌等の消化器癌患者血漿中での腫瘍由来の遊離miRの定量的解析が安定して可能であることを明らかにした。また、一部の癌関連miRが癌存在診断、モニタリング診断、再発時診断、悪性度・予後予測診断に有用であることを腫瘍外科医の視点から世界に先駆けて報告してきた(Br J Cancer 2010-2013, Expert Opin Biol Ther 2012, Gastroenterology 2012他)。最近の研究結果と現在の取り組みを報告し今後の展望を示したい。【方法と結果】1)胃癌細胞株・組織で高頻度に高発現或いは低発現の報告のあるmiR(癌遺伝子型;miR-17-5, 21, 106a, 106b, 18a、癌抑制遺伝子型;let-7a)が癌存在診断、術前後のモニタリング診断に有用であることを明らかにし、miR-21が悪性度・予後予測診断に有用であることを明らかにした。2) miRアレイ解析により、癌の存在診断、モニタリング診断に有用なmiRを網羅的に解析した結果、miR-451、miR-486が有望な候補として同定した。【総括】最近、血中の遊離核酸を用いたliquid biopsyの概念が、母親の血液を用いた胎児の出生前染色体異常の診断にも応用可能であることが注目されている。癌患者血漿中のmiRNAは消化器癌の次世代の個別化バイオマーカーとして臨床応用可能である。膵癌、食道癌を含め最新の知見とともに報告予定である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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