演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行下部直腸癌に対する術前放射線化学療法と画像診断に基づく選択的側方リンパ節郭清

演題番号 : OS3-10

[筆頭演者]
秋吉 高志:1 
[共同演者]
上野 雅資:1、福長 洋介:1、長山 聡:1、藤本 佳也:1、小西 毅:1、長嵜 寿也:1、永田 淳:1、池田 篤志:1、向井 俊貴:1、大野 吏輝:1、友利 賢太:1、山口 俊晴:1

1:がん研有明病院 消化器外科、2:がん研有明病院 消化器外科

 

【目的】近年、進行下部直腸癌に対してMDCT/MRIを駆使した精度の高い術前診断に加え術前放射線化学療法(CRT)を併用した集学的治療により良好な局所制御が報告されるようになった。しかし、術前CRTを行う場合の側方リンパ節郭清の必要性については明らかではない。当院では下部進行直腸癌に対して術前CRTを標準治療として行い、術前CT/MRI画像で側方リンパ節転移が疑われなければ側方リンパ節郭清は省略している。今回当院における治療成績を検討した。【対象】2004年7月から2010年12月までにc/s StageII~IIIに対し術前long-course CRT(45~50.4Gy+5FU製剤)後に根治手術を施行した下部進行直腸癌127例。【成績】性別は男性/女性=90/37例、平均年齢59歳(34-81)、腫瘍分化度はwell,mod/por,muc,sig=113/14例、平均腫瘍肛門縁距離は40mm(10-80)、肛門温存率は66%であった。腹腔鏡下手術を92例(72%)に施行した。側方郭清は38例(30%)に施行し、側方転移は25例(66%)に認めた。ypStageはCR/I/II/IIIa/IIIb=9/33/31/18/36例であった。平均観察期間43か月(4-96)、3年OSは96%、3年RFSは78%、3年局所再発率は5.1%であった。側方郭清施行群(LPLD群、n=38)、非施行群(TME群、n=89)のCRT前MDCT側方リンパ節の最大長径(mm)はLND群:11(0-27)、TME群:2(0-11)であった。局所再発はLPLD群で1例(仙骨前面)、TME群で6例(骨盤壁2例、仙骨前面1例、側方リンパ節2例、膣後壁+側方リンパ節1例)に認めた。側方リンパ節転移症例(n=25)の中期成績は側方リンパ節転移のない症例(n=102)と比べて有意差を認めなかった(3年RFS:72% vs. 78%, p=0.8575; 3年局所再発率:4.2% vs. 5.3%, p=0.7319)。【結論】術前CRT施行進行下部直腸癌において術前画像診断に基づく側方リンパ節転移診断は有用であり、選択的側方郭清は妥当であると考えられた。また、予後不良とされる側方リンパ節転移症例に対しても、術前CRT+側方郭清施行により良好な中期成績が得られた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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