演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌肝転移に対する肝切除後の再発及びその治療戦略

演題番号 : OS3-5

[筆頭演者]
野田 雅史:1 
[共同演者]
小林 政義:1、山岸 大介:1、濱中 美衣:1、別府 直仁:1、塚本 潔:1、山野 智基:1、松原 長秀:1、池内 浩基:1、冨田 尚裕:1

1:兵庫医科大学 下部消化管外科

 

はじめに)大腸癌肝転移症例に対し、当科では肝転移巣が4個以下で治癒切除可能と判断したものは肝切除をおこない、5個以上の場合は化学療法を先行させた後、切除可能となったものに対し肝切除をおこなってきた。(対象と方法)肝切除より2年以上経過した93年1月より10年12月までの大腸癌肝転移251例を対象とした。このうち肝切除となったものは128例、化学療法を先行させたのは123例であった。肝切除となった128例中、術後補助化学療法をしなかったのは23例で、それ以外はおこなった。化学療法先行の123例は、06年までは、肝動注または肝動注+CPT-11を6ヶ月間おこなった後、切除可能となった症例に肝切除を施行した。07年より1st lineとしてmFOLFOX+BevまたはmFOLFOXを6コースおこない、切除可能なものは肝切除、増悪したものは2nd lineとして肝動注+CPT-11に変更した。09年よりは1st line は上記と同様で、2nd line をCPT-11+CmabまたはFOLFIRI+Cmabとし、肝動注+CPT-11を3rd lineとした。肝切除可能かどうかの最終的な判断は、CT(MRI)、PET検査でおこなった。(結果)4個以下で肝切除となった128例の再発は56%で、ほとんど2年以内にみられた。術後補助化学療法をおこなった症例の再発部位は、肺転移(23%)、肝転移(13%)、腹膜転移(9%)、局所再発(6%)の順だったが、行わなかった症例では肝転移が最も多かった。3年生存率は65%、5年生存率は49%であった。化学療法を先行させた123例は、3rd line まで化学療法をおこなうことで61例(50%)に肝切除が可能となった。再発は全体で61%にみられ、肝転移(23%)、肺転移(21%)、腹膜転移(7%)、リンパ節転移(5%)の順であった。残肝再発に対し、85%が再肝切除、45%が再々肝切除が可能であった。肺転移に対しては、75%に肺切除、33%に再肺切除が可能であった。3年生存率は73%、5年生存率は46%であり、4個以下で肝切除をおこなった128例の成績と遜色なかった。(結語)1.肝切除後の術後補助化学療法は残肝再発を低下させることが示唆された。2.大腸癌肝転移に化学療法を先行させても切除可能となれば予後が期待できることが示唆された。また、2nd line、3nd lineでも安全に肝切除可能であった。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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