演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行・再発大腸がんのS-1/イリノテカン±ベバシズマブ療法:第II相試験の統合解析

演題番号 : OS3-3

[筆頭演者]
山口 達郎:1 
[共同演者]
山田 康秀:2、岩佐 悟:2、松本 寛:1、市川 靖史:3、後藤 歩:3、安井 久晃:4、加藤 健:2、沖田 南津子:2、長島 健悟:5、島田 安博:2

1:がん・感染症センター都立駒込病院 外科、2:国立がん研究センター中央病院 消化管内科、3:横浜市立大学 臨床腫瘍科、4:京都医療センター 腫瘍内科、5:千葉大学医学部附属病院 臨床試験部

 

【背景】第II相試験の結果、切除不能進行・再発大腸がんの1次治療としてのS-1/イリノテカン±ベバシズマブ(BV)療法の有効性と安全性情報が蓄積されてきている。2次治療においては、第III相試験でS-1/イリノテカン療法のFOLFIRI療法に対する非劣性が既に示されているものの、1次治療では、標準療法であるFOLFOX±BV療法を含めて他の治療法との比較検討は行われていない。【方法】1次治療例を対象として実施した4つの国内第II相試験を統合し、S-1/イリノテカン±BV療法91例と1次治療の標準療法であるFOLFOX±BV療法96例を、有効性と安全性に関し比較検討した。【結果】患者背景は、同時性転移/異時性転移/不明のみ2群間で偏りを認めたが、年齢、性別、ECOG PS、結腸/直腸、転移臓器個数、転移部位で2群間に偏りは認めなかった。奏効割合は、2群間に有意差は認めなかった(S-1/イリノテカン±BV群;65% vs. FOLFOX±BV群;52%,p=0.125)。無増悪生存期間中央値は、S-1/イリノテカン±BV群10.9か月、FOLFOX±BV群12.1か月(p=0.58)、生存期間中央値は、S-1/イリノテカン±BV群27.3か月、FOLFOX±BV群26.8か月(p=0.97)であった。Grade 3以上の有害事象は、好中球減少(S-1/イリノテカン±BV群;24% vs. FOLFOX±BV群;45%,p=0.0036)と食欲不振(S-1/イリノテカン±BV群;12% vs. FOLFOX±BV群;3%,p=0.025)で有意差を認めた。多変量解析で、女性(HR=1.70;95%信頼区間1.18-2.45)と同時性転移(HR=1.77;95%信頼区間1.19-2.63)が予後不良因子として抽出された。【結語】S-1/イリノテカン±BV療法は、FOLFOX±BV療法と比較し、毒性プロファイルが異なるものの耐容可能であり、有効性も遜色ない結果であった。S-1/イリノテカン±BV療法は1次治療の有望な試験治療となると考えられた。現在、1次治療を対象としたS-1/イリノテカン+BV療法の有用性を検討する第III相試験が進行中である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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