演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

子宮頸癌の化学放射線療法

演題番号 : OS25-6

[筆頭演者]
宇野 隆:1 

1:千葉大学大学院医学研究院 画像診断・放射線腫瘍学

 

子宮頸がんに対して放射線治療が行われる場合は,ごく早期の病変を除いて,CDDPを中心とする薬剤を併用した同時化学放射線療法(CCRT)が推奨されている。IIB期~IVA期などの局所進行例,IB2期及びIIA2期など比較的早期でも腫瘍径が4cmを超えるもの,または骨盤内リンパ節転移が陽性の症例では,CCRTが放射線治療単独と比較して生存率を向上させる。従って,IB期で腫瘍径の小さい症例以外のほとんどで,年齢や全身状態,臓器機能などを十分評価したうえでCCRTの適用が検討される。I,II期の術後症例では,骨盤リンパ節転移が陽性,間質浸潤が高度,脈管浸潤が陽性などのリスク因子を検討し,再発の可能性が高い場合にはCCRTを行うことが推奨されている。CCRTにおける化学療法の標準的レジメンはCDDP(40 mg/m2)週1回投与の5〜6コースとされているが,日本でも安全に施行可能であることが示された。他に高用量CDDPと 5FU(3〜4週間隔投与)の併用もランダム化比較試験で生存率の向上が示されたレジメンである。根治症例や術後症例においてはCCRT後にCBDCAおよびpaclitaxelの化学療法を加える治療法,子宮頸部腺癌ではpaclitaxelとCDDPを用いたCCRT等が検討されている。放射線治療では画像誘導放射線治療(IGRT)や強度変調放射線治療(IMRT)などの高精度放射線治療技術の導入が進んでいる。現在主流のIGRT汎用機はon board imager(OBI)搭載のリニアックであり,毎治療直前に治療寝台上でCT画像を取得し,位置照合を行う。計画標的体積(PTV)設定のために付加するマージンを縮小し,リスク臓器への照射線量を減らし,標的への線量増加を可能とする。IMRTでは,逆方向治療計画(インバースプランニング)に基づいて空間的・時間的に不均一な放射線強度をもつビームを多方向から照射することで,標的体積の形状に合致した線量分布を作成する。従来の骨盤照射と比較して小腸,直腸,膀胱,骨髄などのリスク臓器への線量の低減が達成される。IMRTでは急性期・晩期有害事象の発生率を低下させることが報告されている。子宮頸がんに対するCCRTはすでに確立した治療法であるが,新たな照射技術の導入による治療の高精度・低侵襲化,あるいは化学療法部分の強化などで治療成績のさらなる向上が期待されている。

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