演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

子宮頸がんの手術療法

演題番号 : OS25-2

[筆頭演者]
大石 徹郎:1 

1:鳥取大医 産婦人科

 

 米国NCCNのガイドライン(ver.2, 2013)ではIB1期またはIIA1期の治療法として広汎子宮全摘術と根治的放射線治療は同等に扱われており、IB2期またはIIA2期に対しては同時化学放射線療法が第一選択とされている。一方、我が国の子宮頸癌治療ガイドライン2011年版では、扁平上皮癌の場合はIIB期まで手術と放射線療法が同等に扱われている。また、放射線低感受性とされる腺癌ではIB・II期に原則として手術が推奨されている。日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会2011年患者年報によると、IB1期では91.6%、IB2期では82.2%、IIA期では66.8%、IIB期では44.4%に手術が施行されている。 手術療法の利点として正確な進行期決定による再発riskの評価と治療の個別化が可能となること、放射線性直腸炎などの晩期合併症が避けられること、卵巣移動術により卵巣機能の温存が可能となること、局所再発に対して放射線療法が行えること、などが挙げられる。一方、欠点としては術後の排尿障害、リンパ浮腫、などがある。 IB1-IIB期症例115例(扁平上皮癌82例)を対象として、骨盤内リンパ節転移または傍結合織浸潤を有する高リスク群のみを術後照射(放射線単独)の適応とした当科の成績では、37.4%の症例に照射が行われ、5年生存率はIB期で100%、IIA期で93.3%、IIB期で52.7%であり、IB-IIA期では手術療法により良好な予後が得られることが示された。IB2-IIB期症例65例(扁平上皮癌51例)に術前化学療法を行った結果、62例で広汎子宮全摘術が行われ、骨盤内リンパ節転移陽性が13例、傍結合織浸潤陽性が6例、両者ともに陽性は10例であった。高リスク群では、術後補助療法を行ったものの15例で再発を認めた。一方、術後補助療法を行わなかった33例では27例が無再発生存、6例で再発がみられたが、うち5例は放射線療法あるいは孤発肺転移巣の鏡視下切除により制御可能であった。全体として70.8%(46/65)が無病生存し、41.5%(27/65)は術後補助療法の省略が可能であった。両側付属器摘出術が行われたIB-IIB期症例3471例の検討では扁平上皮癌IB期における卵巣転移は0.22%、IIA期0.75%、IIB期2.17%であり、腺癌IB期では3.72%、IIA期5.26%、IIB期9.85%であった。このことから扁平上皮癌IB-IIA期における卵巣温存の妥当性が示された。 本シンポジウムではこれらの成績をもとに、手術療法の利点と問題点について報告したい。

前へ戻る