演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切除 系統的切除vs.非系統的切除

演題番号 : OS24-7

[筆頭演者]
板野 理:1,2 
[共同演者]
大島 剛:2、北郷 実:1,3、浦上 秀次郎:4、鈴木 慶一:5、千葉 斉一:2、前田 真悟:2、愛甲 聡:2、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学医学部 外科学教室、2:永寿総合病院 外科、3:共済立川病院 外科、4:東京医療センター 外科、5:北里研究所病院 外科

 

【背景】平成22年の本邦における腹腔鏡下肝切除術の保険収載に伴い、近年、多くの施設で腹腔鏡下肝切除術は急速に普及しつつある。しかし、肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切除術は、いまだその有効性と安全性、適切な術式が確立されたとは言えない。今回、肝細胞癌に対する腹腔鏡下肝切除術の成績を検討したので報告する。【対象】2001年から2012年に肝細胞癌68症例に対し計72回の腹腔鏡(補助)下肝切除が施行された。このうち系統的肝切除が35切除、非系統的肝切除が37切除であった。系統的切除群、非系統的切除群、および全症例について周術期因子、無再発生存率、全生存率について検討した。【結果】系統的肝切除群38症例における平均腫瘍径は3.6 ± 2.1 cmで、術式の詳細は亜区域切除10症例、外側区域切除7症例、前区域切除 7症例、後区域切除5症例、左葉切除 2 症例、右葉切除7症例であった。平均手術時間は442 ± 132分で、平均出血量は543 ± 504 mlであった。術後合併症は13.2% (5症例)で認め、手術関連死亡は認めなかった。非系統的肝切除群34症例では平均腫瘍径は2.5 ± 1.3 cmで、平均手術時間は282 ± 95分、平均出血量は248 ± 287 mlであった。術後合併症は8.8%(3症例)で認め、周術期死亡は2.9%(1例)であった。両群を比較すると、Child分類とICG R15値で系統的切除群が有意に肝機能は良好で、平均腫瘍径は系統的切除群が有意に大きかった。手術時間は系統的切除群で有意に長く、出血量は系統的切除群で有意に多かった。1/3/5年無再発生存率および全生存率は系統的肝切除群で96.8/96.8/96.8%および80.9/80.9/70.8%、非系統的肝切除群で89.5/84.3/78.2%および86.7/52.1/44.6%であった。無再発生存率/全生存率ともに系統的切除群の方が良好な傾向が認められたが、有意差は認められなかった(p = 0.105/ p = 0.289)。全症例について検討すると、再発率は29.4%(20症例、平均観察期間47ヶ月)、3年無再発生存率および全生存率はそれぞれ64.7%、90.4%であった。【結論】肝細胞癌に対する腹腔鏡(補助下)肝切除術は、安全性に問題はなく、腫瘍学的にも満足のいく結果であった。系統切除群および非系統切除群の間に無再発生存率、全生存率に有意な差は認められなかった。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:内視鏡手術

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