演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肝細胞癌の治療体系における門脈塞栓術の多角的効果

演題番号 : OS24-6

[筆頭演者]
別府 透:1,2 
[共同演者]
宮田 辰徳 :2、岡部 和利:2、岡部 弘尚:2、坂本 慶太:2、中川 茂樹:2、林 洋光:2、今井 克憲:2、新田 英利:2、橋本 大輔:2、近本 亮:2、石河 隆敏:2、馬場 秀夫:2

1:熊本大学病消化器癌集学的治療学、2:熊本大学院消化器外科学

 

【はじめに】門脈塞栓術 (PVE)は、1. 肝切除率の低下に伴う肝切除適応の拡大、2. 非塞栓領域への経門脈的転移の防止、3. 経肝動脈的治療の効果増強など、を目的としている。われわれは肝細胞癌の治療体系にPVEを幅広く応用しているのでその有用性を報告する。【対象と方法】2012年12月までに治療を行った肝細胞癌139例。検討1:右PVE後に右肝切除を行った38例と同時期のPVE未施行右肝切除56例、検討2:片葉限局でPVE後に肝動脈化学塞栓療法 (TACE)を反復した20例と片葉限局でPVE未施行、TACEを反復した25例を対象とした。【結果】検討1 1. 両群間の背景因子に差はなかったが、入院時の肝切除後予測残肝率はPVE群で41.4±13.0%と有意に低値 (non-PVE群:58.2±14.6%、P<0.0001)、2. PVE群とnon-PVE群の累積生存(OS)に差を認めなかった。(5年:60% vs 44%)、3. 無再発生存 (DFS)の中央値は1309日と429日、5年累積DFSは49%と12%であり、PVE群で有意に良好であった (P<0.005)。4. PVE群の15例はすべて肝内再発、non-PVE群では18例が肝内再発、14例が肝外再発であった (P<0.0005)。5. Cox比例ハザードモデルを用いた多変量解析では単発腫瘍 (HR 0.427、p=0.0112)と術前PVE有 (HR 0.268、p=0.0021)がDFSの独立規定因子であった。検討2 1. PVE群で男性の割合が高い以外、背景因子に差はなかった。2. 奏効率はPVE群で高率であった (66% vs 44%)、3. 肝外転移はPVE群で2例 (10 %)、非PVE群で4例 (16 %)にのみ認めた。4. 非塞栓葉の1年、3年累積再発率はPVE群で43%、60% 非PVE群で79%、85% とPVE群で有意に低率であった(P<0.05)。5. 3年、5年累積OSは40%、38% と23%、9% とPVE群で有意に高率であった (P<0.05)。【結語】肝切除の有無にかかわらず術前門脈塞栓術先行により、無再発生存期間の延長や非塞栓葉への再発抑制効果が確認された。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:集学的治療

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