演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肺癌治療感受性予測研究の展開

演題番号 : OS2-4

[筆頭演者]
清家 正博:1 

1:日本医科大学大学院研究科 呼吸器内科学分野

 

肺癌治療は分子標的薬の登場により劇的な変化がもたらされた。特にEGFR遺伝子変異陽性肺癌は、約80%の症例でEGFR-TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ)が奏効し、2009年に発表されたNEJ002試験やWJTOG 3405試験などの結果より、初回治療におけるEGFR-TKIの投与はEGFR変異陽性肺癌に対しての治療オプションの1つに位置づけられた。そして2012年3 月にはEGFR-TKIに次ぐ肺癌の新規分子標的薬として、ALK 阻害剤であるクリゾチニブが日本でも承認され、バイオマーカーによる個別化治療がいよいよ本格化してきた。これまで肺癌は小細胞肺癌と非小細胞肺癌、さらに組織型により腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌に分類され、治療選択がなされてきたが、EGFR、ALK、RASなど多くの薬剤感受性マーカーが明らかになり、今後は分子生物学的な分類によって細分化し、それぞれに最適な薬剤を使用する個別化治療の発展が期待される。このように肺癌の個別化治療の発展にはバイオマーカー研究の発展は必須である。バイオマーカーには、肺癌の予後を予測するprognostic markerと、EGFRやALKなどの特定の薬剤の治療効果を予測するpredictive markerに分けられる。これまでに免疫組織化学やDNAシークエンス、PCRなどの手法を用いたバイオマーカーが多く報告されているが、EGFR、ALKといった肺癌の実臨床に応用されているバイオマーカーは少数であり、バイオマーカーとして実用化するには検査の標準化と有効性の評価が求められる。本シンポジウムでは、肺癌のバイオマーカー研究とそれに基づく個別化医療の現状と課題を概説し、今後のトランスレーショナルリサーチの展望について述べる。

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