演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

上皮性卵巣癌における Interval debulking surgery ( IDS ) の意義

演題番号 : OS19-5

[筆頭演者]
佐藤 誠也:1 

1:鳥取大学医学部産科婦人科

 

 上皮性卵巣癌に対する初回化学療法の奏効率は約70%と高く、手術完遂度は長期予後と相関することから、卵巣癌の標準治療は可及的腫瘍減量術と化学療法である。近年、周術期合併症の軽減および手術完遂度の上昇の観点から化学療法中に腫瘍減量術を行うInterval debulking surgery(IDS)が進行卵巣癌の治療オプションとして注目されている。2000年以降、当科では初回治療時に人工肛門造設術または3カ所以上の腸管合併切除が必要な症例に対しては、IDSを行っている。
 卵巣癌根治術を施行した進行卵巣癌患者103例(III期80例、IV期23例)を対象として、Primary debulking surgery (PDS) を施行した40例とIDSを施行した63例に分けて後方視的に比較検討した。両群間で患者背景(年齢、進行期および組織型)に差はなかった。出血量、手術時間、輸血施行率に差はなかったが、腸管切除率と術後創部感染の発生率はIDS群で高かった(5.0% vs. 25.4%, P=0.0078、2.5% vs. 15.8%, P=0.047)。手術完遂度に差はみられなかった。PDSおよびIDS日を起点とした術後無増悪生存期間を手術完遂度別に比較すると、suboptimal症例においてはIDS群で有意に短かった(中央値:445日vs. 300日、P=0.0318)。IDS群では初回治療中に7回以上の化学療法を施行した症例が92.1%(58/63)を占め、治療期間が有意に長かった(中央値:130日vs. 250日, P=0.0001)。一方、治療開始日を起点とした無増悪生存期間および全生存期間に差はなかった(3年無増悪生存率:38.3% vs. 29.3%, 3年生存率:66.3% vs. 60.5%)。
 IDSを用いた治療戦略においては、IDSの至適施行時期、refractory症例の取扱いおよび化学療法回数の増加による獲得耐性の可能性など検討すべき問題点は多い。本シンポジウムではIDSに関するエビデンスの整理と問題点を再確認し、今後の治療戦略について考察する。

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