演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

低悪性度非ホジキンリンパ腫の治療

演題番号 : OS18-1

[筆頭演者]
小原 尚恵:1 
[共同演者]
金倉 譲:1

1:大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科

 

低悪性度非ホジキンリンパ腫は進行が緩徐で化学療法が一旦、奏効するが、再発は必至であり治癒することが困難な疾患である。診断時より進行期であることが多いが、数年以上にわたり無症状でWatch & Waitされることも多い。化学療法による治療を選択する基準としては、腫瘍に伴う症状を認める場合や予後不良因子などを有すうる場合等が該当する。治療を要する初発進行期症例の場合、R(Rituximab)単独/R-CHOP/R-CVP療法が選択される事が多い。一方再発症例に対する治療方針については、選択肢が多様で画一的には定まっていない。再発時の治療法を選択するには、組織学的形質転換の有無や、前治療の内容や投与量、奏功期間などを考慮する必要がある。近年、再発例に対する複数の新規治療薬が開発承認されている。本邦初の放射免疫療法剤である90-Y-ibritumomab tiuxetanは2008年1月に承認された。前治療歴や腫瘍量により有効性や副作用が異なること、非血液毒性は少ないことが報告されている。2012年12月にはNitrogen mustardとアルキル化剤両者の作用をもつ新規抗癌剤Bendamustine(B)が、再発・難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫に対して承認された。海外の試験成績ではBとRを併用したBR療法は初発症例に対してORR92%という結果が示され、初発進行期症例を対象としたR-CHOP療法との比較試験でもBR療法の有用性が認められた。長期的な安全性やQOL、生存期間に対するインパクトの評価を経て今後の位置づけが定まっていくものと思われる。短期間での再発、組織学的転換を来した場合、高悪性度リンパ腫に準じた治療を行い、可能な症例には治癒を目指し造血幹細胞移植が試みられてきたが、その有用性については一定の評価は得られていない。同種移植はGVL効果により唯一治癒を期待できる治療法であるが、GVHDや移植関連死のリスクが伴う。移植も適切なタイミングでの治療選択肢の1つとなりうる。更に、新規治療薬としてOfatumumab、BTK阻害薬、Bortezomib、Gemcitabine、Lenalidomide等が現在開発中であり、今後の方向性としては、それらの薬剤の特性を生かし、全ての治療段階において個々の症例に対し適切な治療選択を行う必要性がある。

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