演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

皮膚科領域で扱う軟部肉腫の治療と問題点ー血管肉腫を中心にー

演題番号 : OS17-5

[筆頭演者]
田口 理史:1 
[共同演者]
兼子 耕:2、土田 哲也:3

1:深谷赤十字病院 皮膚科、2:深谷赤十字病院 病理部、3:埼玉医科大学 皮膚科

 

2002年に改訂された軟部腫瘍のWHO分類では、皮膚線維性組織球性腫瘍(皮膚線維性組織球腫、隆起性皮膚線維肉腫、異型線維黄色腫)、皮膚の血管性腫瘍(血管肉腫、良性血管性腫瘍)そして、平滑筋腫瘍(立毛平滑筋腫、皮膚平滑筋肉腫)は皮膚腫瘍の巻へ記載されることになった。また皮膚科領域で遭遇することの多い、末梢神経腫瘍は神経系腫瘍の巻への記載となった。上記した腫瘍のほとんどは、手術が治療の第一選択となる。特に肉腫においては、十分な切除marginを取って切除することが世界的なコンセンサスとなっている。しかしながら血管肉腫に対しては確立された治療法は未だ存在せず、施設間での治療法は様々である。国内では原発巣に対する放射線治療とタキサン系抗腫瘍薬によるadjuvant療法の併用が主な治療法となりつつあるが、海外では治療の第一選択を手術療法としている施設が多い。しかし、いずれの治療法もエビデンスレベルでは十分な根拠を持った治療とは言えず、血管肉腫だけは他の軟部肉腫と切り離して取り扱う必要がある。日本皮膚外科学会「血管肉腫グループスタディー」における治療別の統計結果では、手術、放射線治療の有無による有意差は認められず、化学療法のみが有意に生存期間の延長を認めている。アンケート調査による結果ではあるが、5年生存率が10%程度と皮膚科で扱う軟部肉腫の中で最も予後不良な血管肉腫において、その治療の未来を考える上で重要なデータである。今回、軟部腫瘍のWHO分類から分かれた皮膚科領域で扱う肉腫の分類を整理し、主な軟部肉腫の症例を提示してそれぞれの治療法について述べる。特に血管肉腫に関しては「血管肉腫グループスタディー」のデータと内外の文献をもとに、治療の進歩と問題点について解説する。

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