演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

悪性黒色腫診療における最新のトピックス

演題番号 : OS17-1

[筆頭演者]
爲政 大幾:1 

1:関西医科大学 皮膚科学講座

 

悪性黒色腫は神経堤由来の色素産生細胞であるメラノサイトから生じる悪性腫瘍で,容易にリンパ行性や血行性転移を生じ、化学療法抵抗性かつ放射線低感受性であるため生命予後不良な疾患として知られている。悪性黒色腫の診断に関しては、特異的モノクローナル抗体の開発による免疫病理組織診断精度の向上や、FDG-PET/CTなどの新規画像診断法やセンチネルリンパ節生検法の開発・普及などによる病期診断の進歩が見られた。治療においては、ガンマナイフやサイバーナイフなどの定位放射線治療装置や粒子線、中性子線などの新たな線源による治療法の開発による進歩が見られている。しかし化学療法に関しては、過去20年以上に及ぶ長期に渡ってこれといった進歩はみられず、他癌腫における新規抗癌剤や標的療法薬による治療成績の向上を横目で見ながら、われわれ皮膚科医は隔靴掻痒の感を抱き続けてきた。しかし,抗CTLA-4抗体ipilimumabやBRAF阻害薬vemurafenibの開発に端を発するここ数年の免疫療法薬と分子標的療法薬の開発と臨床応用の進展によって,悪性黒色腫の治療もようやく新しい時代を迎えつつある。実際、NCCNによる悪性黒色腫診療ガイドラインの最新版では、進行期に対して最優先される薬剤療法としてipilimumabとvemurafenibがいち早く組み入れられた。この種の新規薬剤は本邦での上市までにいましばらくの時間を要するが、海外においては既にこれらの薬剤同士や従来治療との組み合わせ、さらには術後補助療法としての可能性も検討され始めており、本邦で実際に使用可能となった際には即これらの治療を開始できるように、常に新しい知識を身につけておく必要がある。そこで、本講演ではこれらの新規薬物療法を含めて、悪性黒色腫診療の最新のトピックスについて述べてゆくこととする。

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