演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

外来がん化学療法におけるCDTMシステムの構築と運用

演題番号 : OS14-5

[筆頭演者]
合澤 啓二:1 
[共同演者]
岩田 一史:1、平田 憲史郎:1、本島 美佐紀:2、上羽 郁子:2、田上 ひとみ:2、安達 邦子:2、大戸 雅史:4、采田 志麻:4、川添 輝:3、吉田 稔:4、福永 栄子:1

1:熊本赤十字病院 薬剤部、2:熊本赤十字病院 看護部、3:熊本赤十字病院 乳腺内分泌外科、4:熊本赤十字病院 血液・腫瘍内科

 

熊本赤十字病院では、血液・腫瘍内科の外来新設とそれに伴う外来化学療法室の増床(8床から14床)を機に、2013年3月より外来化学療法室でのCollaborative Drug Therapy Management(CDTM)業務を開始した。実施診療科は血液・腫瘍内科と乳腺内分泌外科の二科であり、1)自宅での患者管理による支持療法、2)外来化学療法室での抗がん薬投与に伴う対処療法、における処方をがん専門薬剤師が担当している。また外来化学療法処方の内容確認時に個々の患者の治療実施計画書との齟齬が指摘された処方では、実施計画書の範囲内でがん専門薬剤師が処方修正を行っている。なお医師は、これら薬剤師の入力処方に対して実施後承認を行う。CTDMの準備に要した期間は約3か月であり、まず医師に対して薬剤師による代行処方のニーズ調査を行い、次に医師と薬剤師による協議のもと、ざ瘡用セット、制吐薬(高度、中等度、軽度催吐リスク)セット、腫瘍崩壊予防内服セット、FNセットなど13用途36種類のセット処方を作成した。これらセット処方はオーダリングシステム内にCDTM対象処方として登録し運用することとし、これらを規定したCDTM実施計画書ならびに運用手順書を作成した。外来化学療法時の支持療法薬管理において、特に頓用薬の場合は患者の状態に応じて使用状況が異なるため、継続処方時には患者手持ちの残薬数を把握した上での調整が必要となる。しかし医師が外来診察時にこれらに対応することは難しく、そのため投薬窓口で患者の申し出により処方が追加または変更となる場合も多い。そこで当院ではCDTM導入にあたり、継続支持療法薬管理に主眼を置いてシステムを構築した。外来化学療法室で看護師から渡された「残薬表」に患者は自宅で残薬数を記入して来院し、この「残薬表」をもとにがん専門薬剤師が継続支持療法薬の処方を行っている。なお残薬表からは患者のアドヒアランス評価も行えるため、個々の患者に応じた服薬指導が行えるようになった。CDTMの導入は薬剤師によるファーマシューティカルケアを充実させ、患者中心の医療提供のためのチーム医療の新たな方向性になっていくものと思われる。がん領域における適切な支持療法薬管理は患者のQOLのみならず有効性の向上をももたらすことから、対象診療科の拡大も含め改善を重ね、更に発展させていきたいと考えている。

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