演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

CDTMとは

演題番号 : OS14-1

[筆頭演者]
谷川原 祐介:1 

1:慶應義塾大・医・臨床薬剤学

 

Collaborative Drug Therapy Management(CDTM)とは「医師・薬剤師協働薬物治療管理」であり、1970 年代以降米国で普及拡大してきた取り組みである。その内容は「一人以上の医師と薬剤師との協働で薬物治療を実践する合意であり、その合意のもと、資格を付与された薬剤師は、プロトコールで規定された範囲内で、患者を評価し、薬物治療と関連ある臨床検査を指示し、医薬品の投与を行い、投与計画を選択し,薬物治療を開始し、モニタリングし、継続・修正するなどの専門的な責務を担うことが許される」とある。すなわち、定型的投薬における医師の負担軽減と薬剤師の活用を目的とする「医師と薬剤師のコラボレーションによるチーム医療」の新たな形態である。米国では慢性疾患、栄養管理、ワルファリン管理、TDMなど定型的投薬について適用されている。 本邦では平成22年医政局長通知において、「チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加することが非常に有益である」とされ、現状で薬剤師が実施することができる項目として、薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること、(中略)医師に対し服薬計画を提案すること等が挙げられている。 米国でCDTMが普及し本邦でも医政局長通知が発出された背景には、医療が専門分化し高度化したことと深刻な医師不足などが挙げられる。CDTMはがん医療に限ったものではないが、チーム医療が最も求められるがん医療、とくに支持療法に関しては実態としてかなり進んでいることが、昨年の本学会学術集会特別企画「チームがん医療-支持療法におけるCDTM-」でうかがい知ることができた。さらに薬剤師教育が6年制となり従前よりも臨床能力の高い薬剤師が育成される背景もある。 しかしながら、我が国では一部の医療機関が個別にそれぞれのやり方でCDTMモドキに取り組んでいるのが実情であり、その方法や枠組みに関する統一的なコンセンサスは得られていない。したがって、本日はまず各施設で実施されている先進的CDTMの実態を取り上げ、CDTM導入効果を共有するとともに、克服すべき課題について討論する。がん医療の質を高めるCDTM推進に向けたコンセンサス形成のための議論を深めたい。

前へ戻る