演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

BRCAnessによるトリプルネガティブ乳癌の術前化学療法効果予測

演題番号 : OS13-6

[筆頭演者]
明石 定子:1 
[共同演者]
中村 清吾:1、広田 由子:2、渡邊 知映:1、沢田 晃暢:1、榎戸 克年:1、桑山 隆志:1、高丸 智子:1、大山 宗士:1、池田 紫:1、吉田 玲子:1、奥山 裕美:1

1:昭和大学 医学部 乳腺外科、2:昭和大学 医学部 第一病理

 

(背景)トリプルネガティブ乳癌(以下TN)はheterogeneousな集団であり、術前化学療法(以下術前化療)に対し高い病理学的完全消失(pCR)率(約50%)を示す一方、タキサン系薬剤に増悪をきたす症例も約20%と高率に存在する。しかし両者は、画像所見もEGFR含めた既存の病理組織学的所見においても類似しており、TNにおいて化療効果予測のための臨床応用可能なバイオマーカーが待たれている。BRCA1変異乳がんはTNが多く、DNA2本鎖の修復機能が障害されているためDNA障害性の白金製剤の効果が高いことが期待される。BRCAの機能異常よる遺伝子修復機能不全状態は,遺伝子変異のみでなく、そのpromotor領域のmethylationなどによっても惹起され、BRCAnessという概念が提唱されている。BRCAness腫瘍は非遺伝性乳癌の11-14%、TN乳癌の半数以上に認められると報告されている。 BRCAness腫瘍はBRCA12変異陽性乳癌と同様にPARP阻害薬や白金製剤あるいは高容量アルキル化薬の感受性が高いことが期待され、臨床データでも白金製剤での予後改善効果が高いことが示されている。そこで今回我々は化学療法施行例に対し、BRCAnessを測定し、化学療法に対する効果予測が可能かどうか検討した。(対象)2010年10月以降当院にてタキサン系薬剤による術前化療を施行した86例。手術標本でMLPA法にて計測したが、pCR症例では針生検検体を用いた。(結果)BRCAnessが測定できたのは68例中、BRCAness陽性は8例(12%)で、うち7例(87.5%)がTNであった。BRCAness陽性患者では有意にタキサン系で奏効率が低く(p=0.002)、TNに限った場合においても、症例数が少ないため、統計学的有意差を認めてはいないが、BRCAness陽性患者で奏効率が低い傾向を示した(p=0.06)。タキサン系薬剤に対し増悪をきたした3例はいずれもBRCAness陽性あるいはBRCA12変異陽性患者であった。(結論)BRCAness測定でTN乳癌を分類することで、より有効な薬剤選択が可能となる可能性が示唆された。今後白金製剤も用いて術前化療戦略を前向き試験にて検討予定である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:バイオマーカー

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