演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳がんに対する化学療法の治療効果を、FDG-PETを用いて早期に予測する

演題番号 : OS13-4

[筆頭演者]
柳田 康弘:1 
[共同演者]
平方 智子:5、堀越 浩幸:2、藤澤 知巳:1、宮本 武志:1、木下 照彦:3、桑野 博行:4

1:群馬県立がんセンター 乳腺科、2:群馬県立がんセンター 放射線診断部、3:鶴谷病院 外科、4:群馬大学医学部 病態総合外科、5:伊勢崎市民病院 外科

 

現在、化学療法の効果予測を、個々の乳がんにおいて正確に行うことは出来ない。化学療法は毒性が高く、効果がない場合はQOLを低下させるばかりである。よって化学療法の効果予測は、有効な薬剤を予測することばかりでなく、無効なことが予測されその薬剤を早期に中止することも有益である。しかし現状は、その効果を知るために、数コース投与した後の腫瘍サイズの変化を待たねばならない。PETは、細胞のブドウ糖代謝を反映している。よって化学療法が腫瘍に奏功した場合、腫瘍が縮小するより先に、ブドウ糖の代謝が低下するという現象を早期に反映し、Standardized Uptake Value (SUV)として半定量化できる。【目的】PETを用いて化学療法開始後早期のSUVの変化を評価することで、治療効果を予測する。【対象と方法】乳がんの主要な化学療法剤であるタキサンには、明らかな効果予測因子はない。対象:術前にドセタキセル(DTX) 75mg/m2を3週ごとに4コース投与する予定の37名の乳がん患者。方法1:DTXによる抗腫瘍効果は造影MRI を用いて、乳房の腫瘍をDTX投与前と4コース投与後の腫瘍径で評価した。方法2:18F-FDG-PETによるSUV は、腫瘍部をDTX投与前とDTX1コース投与後2週間後に測定し、変化率を求めた。方法3:SUVの変化率と抗腫瘍効果を比較検討した。なおこの研究は患者さんの同意を得て臨床試験として前向きに行った。【結果】SUVの低下率が18%未満の低値群(n=8)は、全例SDであった。低下率が19-44%の中間値群(n=13)は、SDまたはPRを示したが、CRは得られなかった。45%を超えた高値群(n=16)は全例PRまたはCRとなった。また各群間のSUVの低下率に明らかな有意差(p<0.01)を認めた。なおこれらの症例は、この後CEF4コースが投与され根治手術がなされた。【考察】DTX1コース投与後のSUVの低下率は、抗腫瘍効果とよく相関していた。よって、乳房温存率を高めるためPR以上の効果を期待するような場合は、中間値群以上であること確認し、低値群であれば2コース目以降を中止すべきであろう。予後の改善をねらう目的ではCRを期待するため、高値群とならなければならない。【結語】化学療法1コース投与後のSUVの低下率で化学療法の治療効果を予測できる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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