演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ホルモン受容体、HER2、Ki-67発現量に基づく包括的術前化学療法効果予測モデルの構築

演題番号 : OS13-3

[筆頭演者]
山本 豊:1 
[共同演者]
指宿 睦子:2、末田 愛子:2、林 光博:2、稲尾 瞳子:2、奥村 恭博:2、大本 陽子:2、村上 敬一:2、岩瀬 弘敬:2

1:熊本大医病乳癌分子標的治療、2:熊本大生命科学乳腺内分泌外科

 

(目的)乳癌術前化学療法の効果は腫瘍サブタイプ毎に異なるが、pathological CR (pCR)が得られた場合、luminal Aを除き予後良好の指標と考えられている。今回、サブタイプを構成する4因子を定量的に解析し、より正確なpCR予測を試みた。(方法)術前化学療法はサンスラサイクリンとタキサンの逐次併用を基本としたレジメン(HER2陽性にはトラスツズマブ併用)を用いて行い、pCRは浸潤癌が消失した場合と定義した。2004年~2010年まで当院で術前化学療法を施行した63例をtest setとし、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、HER2、Ki67発現量に基づくpCR prediction index (pPI)を構築した。その後、2010年以降の62例をvalidation setとしてtest setで構築したpPIを検証した。(結果)test set のpCRは17例(26.6%)であった。単変量解析でpCRと関連する因子はER(p=0.0063)、PR(p=0.0087)、HER2(p=0.0016)、Ki67 (p=0.0454)であった。多変量解析ではHER2(p=0.0366)のみが独立したpCRの予測因子であった。より精度の高いpCR予測のため上記4因子の発現量を基にしたpPIを構築した。多変量解析の各因子のオッズ比と発現量からpPIを作成した。pPIは2.85から5.28の間に分布し、pPIによるpCR予測曲線が得られた。pPIで3群(低pPV群;3.4未満、中pPV群;3.4以上4.5未満、高pPV群;4.5以上)にわけると、各々のpCR率は0%(0/23)、31.6%(6/19)、55.0%(11/20)であり、pPIによるpCR予測が可能であることが示唆された。このpPI分類をvalidation set の62例で検討すると、各群のpCR率は、低pPI群:0% (0/19)、中pPI群:16.7% (4/24)、高pPI群:72.2% (13/18)であり、validation setにおいてもpPIによるpCR予測分類が可能であることが確認された。pPIとサブタイプとの関係は、luminal A (ki67<15%、pPI中央値3.0)、luminal B (ki67>15%, pPI中央値3.3)、luminal-HER(pPI中央値3.9)、Triple-negative (pPI中央値4.5)、HER2-enriched (pPI中央値5.1)の順に有意に高値を示した(p<0.0001)。このうちluminal B, Luminal-HER2,Triple-negativeではpPIのばらつきが大きく、同じサブタイプであっても化学療法反応性の違いが大きいことが示唆された。(結論)ER,PR,HER2,Ki67発現量に基づく定量的pCR予測スコア(pPI)によりpCRが期待できる症例の選別がより正確に行える可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:バイオマーカー

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