演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

腹膜播種陽性胃がんに対する集学的治療

演題番号 : OS11-7

[筆頭演者]
石神 浩徳:1 
[共同演者]
北山 丈二:2、山口 博紀:2、江本 成伸:2、渡邉 聡明:2

1:東京大学 外来化学療法部、2:東京大学 腫瘍外科

 

腹膜播種を伴う胃がんに対して、標準治療である全身化学療法のみでは限界があり、生存期間を延長するためには、腹腔内化学療法と胃切除を付加した集学的治療の開発が必要である。当科におけるS-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法および奏効例に対する胃切除の治療成績を報告する。【対象】P1またはCY1胃がん100例。【方法】審査腹腔鏡によりP1またはCY1を確認し、腹腔ポートを造設した。S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法を施行し、肉眼的根治が望める状態にまで奏効した症例を手術適応と判断した。その具体的条件は、腹腔洗浄細胞診が陰性化したこと、および画像診断にて腹膜播種関連所見が改善し、他に明らかな非治癒因子を認めないこととした。更にセカンドルック腹腔鏡により腹膜播種に対する奏効を確認した上で、開腹手術に移行した。上記の条件を満たさない症例では、化学療法を増悪まで継続した後、二次治療に移行した。【結果】100例中62例に手術を施行した。手術症例の背景は年齢57(28-86)歳、P0CY1/P1 6/56例、胃癌取扱い規約第12版分類P1/P2/P3 5/16/35例であった。術前に中央値4(範囲1-16)コースの化学療法を施行した。術式は胃全摘/幽門側胃切除 56/6例、合併切除臓器は脾/膵/結腸/小腸/付属器 19/4/13/2/8例、リンパ節郭清はD2/D1+ 28/34例であった。腫瘍遺残はR0が44例(71%)で達成され、組織学的にはgrade1b以上の奏効が26例(42%)で確認された。術後、縫合不全および膵液瘻を各2例に合併したが、保存的に軽快した。術後再発・増悪を46例に認め、無再発・無増悪生存期間中央値は19.6ヵ月、生存期間中央値(MST)は34.5ヵ月であった。腹膜播種の程度別では、P0CY1および規約第12版分類P1(計11例)の2年生存率81%に対して、P2・P3(計51例)では53%であった。一方、切除に至らなかった38例では、腹膜播種がより高度な症例が多く、MSTは13.0ヵ月であった。【結論】腹膜播種を伴う胃がんに対して、パクリタキセル腹腔内投与併用療法と胃切除による集学的治療は安全かつ有効である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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