演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

切除不能胃がんに対する集学的治療

演題番号 : OS11-6

[筆頭演者]
設楽 紘平:1 

1:独立行政法人国立がん研究センター東病院 消化管内科

 

切除不能胃がん患者の予後は依然として不良であり, 新たな治療戦略の導入が急務である。治療の主体である化学療法としては, HER2陽性胃癌に対するtrastuzumabの生存延長効果が報告され, 胃がんにおける分子標的剤の時代の幕開けとなった。さらに新たな標的治療が検討されているものの, 顕著な抗腫瘍効果を発揮するための標的は未だに明らかではなく, 新薬の開発と共に疫学的情報の集積が今後の個別化医療に向けて重要であると考えられる。現時点では, 化学療法単独による胃がんの治癒は困難であるものの, 全身化学療法や腹腔内投与の奏効後の切除により治癒を目指す戦略とその良好な結果が報告されてきている。奏効後の切除・非切除を検討する比較試験は困難な可能性があるが, 大規模なコホートにおいて, 奏効後の切除の意義について検討することが望まれる。また, 切除不能胃がん患者は, 原発巣の通過障害や腹膜播種による腸管狭窄による腹部症状を有することが多く, 積極的な抗腫瘍治療に加えて, 症状緩和のための処置(バイパス手術やステント術)や薬物療法が重要である。切除不能胃がん患者の予後改善を目指して, 基礎研究者・病理医・臨床医との連携、外科・内科・緩和ケアの担当医の協力に基づく, 様々な観点からの集学的治療の発展が重要である。

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