演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術後補助療法の今後の展開

演題番号 : OS11-5

[筆頭演者]
高張 大亮:1 

1:愛知県がんセンター 中央病院 薬物療法部

 

ACTS-GC試験により治癒切除を受けたStage II, IIIの胃癌症例に対する術後補助化学療法としてS-1の有用性が検証された。次のステップとしてstageIIにおいては内服期間の短縮が可能か、stageIIIにおいては更なる治療成績の向上が可能か、がclinical questionとして挙げられる。stageIIについては、既にJCOGにおいてS-1;1年の標準治療に対し、S-1;6ヵ月の非劣性試験(JCOG1104)が登録開始となっている。stageIIIについては術後併用療法や術前化学療法が候補になりうる。術後併用療法として韓国から一昨年、CLASSIC試験の結果が報告され、プライマリーエンドポイントである3年DFSはXELOX群で有意に良好であった。CLASSIC試験とACTS-GC試験の最も大きな相違はステージ毎のサブグループ解析の結果である。UICC6版でのACTS-GCの5Y-RFSにおけるHRはII/IIIA/IIIBで0.57/0.63/0.71と、stageが進行する毎にその効果は小さくなっている。一方でCLASSICの3Y-DFSにおけるHRはそれぞれ、0.55/0.57/0.57と全ステージでほぼ同様であった。この結果から、stageIIIにおいてはS-1単独ではその効果は不十分で、プラチナ製剤併用が有用であることが示唆される。一方、本邦におけるStageIII胃癌補助療法の今後の開発は、切除不能胃癌に準じて、S-1+α併用療法による術後補助療法の強化がまず第1に考えられる。 切除不能進行胃癌でのエビデンスから、そのペアとして最も考えやすいのがシスプラチン(CDDP)である。そこでStage IIIの胃癌症例を対象にS-1+CDDP(SP)療法の術後補助化学療法のfeasibility試験が行われ、完遂割合はSP3コース72%,SP2コース88%、3年のRFSはIIIA81.6%,IIIB61.6%、OSはIIIA87.4%,IIIB79.8%であった。この結果より、SPによる胃がん術後補助化学療法はfeasibleで、Stage III症例の再発の減少および生存の改善に寄与する可能性が示唆された。これらの結果より、本邦における次の臨床試験の候補としてはS-1 vs. SPの第III相比較試験が最も考えやすい。また切除不能胃癌を対象にSPに対するPFSにおける非劣性が認められたS-1+oxaliplatin(SOX)もOSの結果によっては術後化学療法の候補レジメンとして検討する必要がある。いずれにせよ、併用療法としてはフッ化ピリミジン+プラチナ製剤の組み合わせが最も考えやすいといえる。韓国や中国ではS-1とSPやXELOX、SOXを検討する試験がいくつか進行中である。本邦でも新たな臨床試験の早期開始が望まれる。

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