演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

化学療法における看護師と薬剤師の協働

演題番号 : OS1-4

[筆頭演者]
矢野 琢也:1 

1:住友別子病院 薬剤部

 

現在の患者への医療サービスの提供には、医師や看護師、薬剤師の「連携」や「協働」が必要であることはもはや言うまでも無い。平成22年4月30日付け医政発第0430 第1号厚生労働省医政局長通知には、医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について「各医療スタッフの専門性を十分に活用して、患者・家族とともに質の高い医療を実現するためには、各医療スタッフがチームとして目的と情報を共有した上で、医師等による包括的指示を活用し、各医療スタッフの専門性に積極的に委ねるとともに、医療スタッフ間の連携・補完を一層進めることが重要」とある。この通知からは、医師との連携のみならず看護師や薬剤師の協働の推進というものを読み取らなければならない。患者の本音や心の叫びを受け止めるためには看護師の力が不可欠である。また、内服抗がん薬での外来化学療法が行われる場合や何種類もの抗がん薬による併用療法が行われる場合には、薬剤師の力も必要であろう。お互いの職種の業務内容を良く理解したうえで、思いやりをもってサポートしあうことがチームアプローチの秘訣であると考えている。当院では、EGFR-TKIによる皮膚障害に対するクリニカルパスを運用している。薬剤師主導で作成したパスであるが、看護師の日々の業務内容を把握し、業務支援を盛り込むことで円滑に運用することが可能となっている。薬剤師の目線においても問題点は発見しうるが、常に患者のそばにいる看護師は様々な問題点をより見つけやすい。看護師と薬剤師の違った視点でアセスメントを行い共有することで解決策を見出し、医師に相談するというチームアプローチにより患者のQOLと予後の改善を図ることが容易となる。当院では、こうした職種を超えたスタッフ間での連携が自然と行えている。他職種との協働を「面倒だから」「一度行えば今後は例外なく行わなければならなくなるのでは」といった感情が先行するようであれば、チーム医療にはほど遠いと思われる。誰もが思いやりを持って最初の一歩を踏み出すことで、円滑なチーム医療そして安全な医療を患者に提供することが出来ると考えている。

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