演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

難治性腫瘍出血に対して放射線照射による止血術が奏功した3例

演題番号 : O99-6

[筆頭演者]
上田 宣仁:1 
[共同演者]
大東 誠司:1、藤川 葵:1、千葉 裕仁:1、関戸 悠紀:1、加藤 俊治:1、下平 悠介:1、塩崎 弘憲:1、鈴木 研裕:1、嶋田 元:1、井上 弘:1、柵瀬 信太郎:1、小野寺 久:1、中村 直樹:2

1:聖路加国際病院 消化器・一般外科、2:聖路加国際病院 放射線腫瘍科

 

【背景】癌治療に携わる者にとって,オンコロジーエマージェンシーに対する迅速な診断と治療法に精通することは必須である.特に癌終末期では難治性の腫瘍出血に遭遇する機会も多く,予後と患者QOLとのバランスを十分に配慮した上での適切な止血法の選択が望まれる.今回,放射線照射にて良好な止血を得られた3例を経験したので報告する.【症例】症例1:89歳男性.膵体部癌に対して膵体尾部切除術後.局所再発巣が胃壁に浸潤し,同部位から胃内への持続的な消化管出血を認めた.上部消化管内視鏡でのクリップや焼灼法での止血を試みたが困難であり,また血管内インターベンションでも止血困難と判断された.最終的には再発腫瘍部に20Gy(5分割)の放射線照射を行い,その後は出血を認めなかった.一旦退院され,在宅での加療が可能であった.照射後3ヶ月存命であった.症例2:63歳女性.切除不能進行胃癌による食道から噴門にかけての狭窄症状と,出血による高度貧血を認めた.内視鏡的止血は困難であったため,狭窄解除と止血目的に30Gy(10分割)の放射線照射を開始した.本人希望で21Gy照射終了後に治療は中止となったが,その後は貧血の進行を認めず,食事摂取も可能になった.本人の治療希望がないため化学療法は行わず,ホスピス科へ転科された.症例3:62歳男性.S状結腸癌に対してS状結腸切除術後.術後4年目に右肺転移を認めた.panitumumabによる化学療法を継続するも,PD.その後,再発巣からの腫瘍出血による頻回の喀血を認めた.出血による右主気管支の閉塞リスクも高く,再発部位に20Gy(5分割)の放射線照射を選択し,その後止血が得られ喀血を認めなかった.退院,在宅加療が可能になり照射2ヶ月後現在,存命されている.【結論】腫瘍からの難治性出血を認める場合,なかでも内視鏡的止血や血管内インターベンションによる止血術が困難である場合,放射線照射単独による止血術が有効な選択肢の一つとなり得る.

キーワード

臓器別:その他

手法別:放射線治療

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