演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌肝転移切除症例における、化学療法と背景肝についての検討

演題番号 : O99-5

[筆頭演者]
土井 綾子:1 
[共同演者]
辻 靖:1、北山 浩光:1、溝口 亜樹:2、皆川 武慶:2、木村 朋広:2、庵原 秀之:2、住吉 徹哉:2、由崎 直人:2、平山 眞章:2、近藤 仁:2、鈴木 善法:3、奥芝 俊一:3、大森 優子:4、小山田 ゆみ子:4

1:KKR札幌医療セ斗南病 腫瘍内科 、2:KKR札幌医療セ斗南病 消化器内科、3:KKR札幌医療セ斗南病 外科、4:KKR札幌医療セ斗南病 病理科

 

【目的】周術期化学療法の併用により、大腸癌の切除可能な肝転移例が増えている。一方、オキザリプラチンやイリノテカン等の抗癌剤による、切除肝の類洞拡張や脂肪性肝炎といった肝障害の報告も増えている。 当院での大腸癌化学療法後に肝切除を行った症例における、化学療法と背景肝について、関連性や肝障害に影響する因子の有無を調べるために検討を行った。【対象・方法】平成18年5月から平成24年12月に当院で大腸癌の肝転移にて、化学療法後に肝切除を施行した症例を対象とする。背景肝と術前の化学療法レジメン内容と抗癌剤投与量、最終抗癌剤投与から手術までの期間との関連について、レトロスペクティブに検討した。肝障害については、背景肝の脂肪化、線維化、炎症の程度はKleinerらの方法によってNAFLD活動性スコアとBruntらの方法によってNASHの活動度と病期を評価し、類洞拡張についてはRubbia-Brandtらの方法に従ってスコアリングを行った。【結果】症例は48例。男女比は25:23、年齢中央値65.5歳。最終抗癌剤投与から切除までの期間の中央値は5.2週であった。肝切除前に最も多く使用された化学療法レジメンはFOLFOXであり、オキザリプラチンの投与量の中央値は750mgであった。術後重症の肝障害を生じた症例では、背景肝にGrade3の類洞拡張を認め、FOLFOX投与後であった。最終投与からの期間が長い程、障害の程度は軽度であり、可逆性の副作用であると考えられるが、抗癌剤の投与蓄積や肝障害が強い症例では正常化するまでに時間を要し、血球低下や倦怠感などの影響が長期にわたることが懸念された。【結論】大腸癌肝転移症例に対する化学療法により、肝障害が生じる可能性があるが、大部分は軽度の障害に留まっていた。中には重篤な肝障害を発症した症例があり、肝障害を予測できうる危険因子や指標を同定するために、今後症例を積み重ねて、更なる検討が必要と考えた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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