演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌化学療法における中心静脈ポート関連合併症についての検討

演題番号 : O99-3

[筆頭演者]
中村 慶史:1 
[共同演者]
渡邉 利史:1、林 泰寛:1、尾山 勝信:1、井口 雅史:1、中川原 寿俊:1、宮下 知治:1、田島 秀浩:1、高村 博之:1、二宮 致:1、北川 裕久:1、伏田 幸夫:1、藤村 隆:1、太田 哲生:1

1:金沢大 消化器・乳腺・移植再生外科

 

【目的】これまで切除不能進行再発大腸癌に対する標準化学療法としてFOLFOX、FOLFIRI療法を施行する際には中心静脈ポート(以下ポート)留置が必須であった。しかし、2009年にXELOX療法が適応となり、必ずしもポートを必要としないレジメンが選択可能となった。ポート留置には早期および晩期合併症が認められるが、今回これまでの化学療法施行症例におけるポート関連合併症を検索し、その頻度と穿刺法の違いによる合併症内容について検討した。【対象と方法】当科では、2008年まではランドマーク法を用いた鎖骨下静脈穿刺法を主に選択してきたが、2008年以降は、血気胸やピンチオフなどの合併症がない末梢静脈穿刺法を採用し第1選択として行ってきた。対象は中心静脈ポートを留置し化学療法を施行した大腸癌症例187例で、内訳は鎖骨下静脈穿刺例89例、末梢静脈穿刺例98例であった。鎖骨下静脈穿刺はランドマーク法での穿刺後、前胸部にポートを留置し、末梢静脈穿刺は超音波ガイド下に上腕尺側皮静脈あるいは上腕静脈を穿刺し、上腕内側にポートを留置した。【結果】187例中合併症発生率は18例(9.6%)であった。穿刺法別にみると、鎖骨下穿刺では6例(6.7%)、末梢静脈穿刺では12例(12.2%)とやや末梢静脈穿刺法で多い結果であった。合併症の検討項目は、気胸、カテーテル感染、ピンチオフ、位置異常・逸脱、出血、ポート部感染、カテーテル閉塞、血栓症とし、穿刺法別の発生率は、鎖骨下穿刺において気胸2例(2.2%)、カテーテル感染2例(2.2%)、ピンチオフ2例(2.2%)であった。末梢静脈穿刺では、カテーテル感染を3例(3.1%)、位置異常・逸脱を2例(2.0%)、出血を1例(1.0%)、ポート部感染を2例(2.0%)、カテーテル閉塞を1例(1.0%)、血栓症を3例(3.1%)に認めた。【結語】末梢静脈穿刺法の合併症として、気胸やピンチオフがないのは安全で有用と考えられるが、留置距離の長さに起因すると考えられる位置異常・逸脱や血栓症の発生率が高く、全体としても合併症はやや高い結果であった。ポートが不要であることは合併症の点からは望ましいが、実臨床においてはいずれかの時期にポートが必要となることが多く、合併症を念頭においた穿刺法の選択と経過観察が必要である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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