演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

切除不能転移再発大腸癌に対し抗EGFR抗体薬を使用した82例の検討

演題番号 : O99-2

[筆頭演者]
中田 健:1 
[共同演者]
福永 睦:1、馬場谷 彰仁:1、清水 克修:1、石垣 貴彦:1、蛯原 健:1、加藤 文崇:1、天野 浩司:1、大久保 聡:1、星野 宏光:1、川端 良平:1、山本 為義:1、川瀬 朋乃:1、木村 豊:1、大里 浩樹:1

1:市立堺病院 外科

 

【目的】切除不能転移再発大腸癌に対する抗EGFR抗体治療は、導入当初、既存の殺細胞薬による治療が無効となった症例に対する補助的な使用や、単剤での緩和的な使用が中心であった。しかしながら最近では、抗EGFR抗体薬の高い有効性・安全性が示され、症例によっては治療の第一選択薬となっている。今回我々は、当科で施行した抗EGFR抗体薬の治療成績を検討したので報告する。【対象と方法】2008年に抗EGFR抗体薬が発売されてから、2013年4月現在まで当院で使用した82症例を抽出し、後方視的に検討した。【結果】セツキシマブは2008年10月から62例、パニツムマブは2010年8月から20例に使用していた。のべ投与症例数は82例で、年齢の中央値は69歳(30-84)、男45:女37、PS(0-1):2:(3-4)は36:37:9であり、使用ラインは1st:2nd:3rd以降で11:15:56 、46%(38/82例)に殺細胞薬が併用されていた。治療サイクルの中央値は10.5回(1-69)で、治療成功期間の中央値は127日であった。最良効果はCR1:PR12:SD29:PD20:NE20で、奏効率は、15.9%、病勢コントロール率は51.2%、Conversion率は4.9%(4/82例)であった。積極的な病勢コントロールを目標として一次治療から抗EGFR抗体薬を併用した9例のみで解析すると、奏効率は88.9%、病勢コントロール率は100%、Conversion率は33.3%と高値であった。治療中止理由は、PD43:PS低下25:皮膚障害3:conversion4:転院1であった。有害事象は、皮膚障害がGrade(以下G)3以上8.5%(7/82例)、全Gで74.4%(61/82例)と多く、全身倦怠感はG2以下で40.2%(33/82)であった。低Mg血症はG1-2が2例、G3が1例あった。【考察】使用開始当初、抗EGFR抗体薬は、3rdライン以降に単剤で使用される症例が多かった。特に高齢者やPSの悪い症例に対して、最終ラインとして症状緩和目的に選択されるケースが目についた。最近になり、殺細胞薬と併用した1stラインの使用症例が増加しており、CRやConversionの症例も散見され、極めて高い奏効率を示していた。有害事象としては、皮膚障害はほとんどコントロール可能で、軽度の全身倦怠感も比較的多かったが、重篤な有害事象の出現は認めなかった。【結論】当院において導入初期の段階で、抗EGFR抗体薬は比較的有効・安全に使用できていた。今後は、KRAS野生型切除不能転移再発大腸癌に対して、積極的治療と緩和的治療の両極に分かれて選択的に使用することで、さらに高い効果が期待される。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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