演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌化学療法における原発巣の内視鏡観察上の変化の検討

演題番号 : O98-5

[筆頭演者]
石川 文彦:1 
[共同演者]
釜田 茂幸:1、藤田 昌久:1、飯島 美登:2、島田 雅弘:3、伊藤 博:1

1:深谷赤十字病院 外科、2:深谷赤十字病院 看護部、3:深谷赤十字病院 薬剤部

 

大腸癌治療のガイドラインでは切除不能の転移病変を有する症例では、原発巣が切除可能な症例においては、出血や狭窄を認める場合は原発巣の切除を行った上での化学療法を推奨している。しかしながら実際に切除不能な症例を経験した場合、化学療法を計画する際、ます原発巣の切除をするか、切除できない場合はバイパス術やストーマ造設術を施行した上で化学療法を施行するかどうかの判断に迷うことがある。そこで今回原発巣を切除せずに化学療法を施行した症例について原発巣の変化についてレトロスペクテイブに検討を行い、考察を加え報告する。『方法』原発巣を切除せずに化学療法を施行し、内視鏡にて原発巣の変化を観察し得た18例を対象とした。18例中14例はFOLFOXもしくはFOLFIRIに分子標的薬を併用し、残り4例は分子標的薬を併用しなかった。また18例中11例は既に腸閉塞もしくは腸閉塞のリスクが高いと判断しバイパスもしくはストーマ造設術を施行したうえで化学療法を施行した。『観察項目』1)内視鏡観察にける周堤の平坦化2)浮腫の改善3)癌性内腔狭窄の改善4)出血傾向の改善5)治療中の腸閉塞の出現の5項目についてレトロスペクテイブに検討した。『結果』1)内視鏡観察にける周堤の平坦化は16例(88.9%)2)浮腫の改善16例(88.9%)3)癌性内腔狭窄の改善を認めた症例はなし4)出血傾向の改善15例(83.3%)5)治療中の腸閉塞の出現は7例中1例(14.2%)であった。『考察』今回の検討はあくまでレトロスペクテイブに検討した結果であり、レジメンの選択や治療回数、バイパスやストーマ造設を行う適応などは一定の基準はない。しかしながら結果として出血傾向の改善が88.3%に認められ、反面癌性狭窄は化学療法によって改善した症例は認められなかったことから、すでに腸閉塞症状を呈する症例や、狭窄が強度な症例ではストーマやバイパスなどのを施行した上で化学療法を施行しることが望ましく、病変からの出血は化学療法によってむしろ抑えられている傾向にあり、原発巣を切除しなくても化学療法を考慮しうることが示唆された。今回の検討ではレトロスペクテイブな検討のため予後との関連については言及することはできず、今後更なる検討を要すると考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

前へ戻る