演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

直腸癌局所再発症例に対するFOLFIRI、FOLFOX療法中のフルニエ症候群発症の危険因子

演題番号 : O98-4

[筆頭演者]
永田 仁:1 
[共同演者]
高木 和俊:1、石塚 満:1、岩崎 喜実:1、窪田 敬一:1

1:獨協医科大学 第2外科

 

フルニエ症候群は病巣が会陰部である壊死性筋膜炎であり、現在でも致死率が高い。種々の原因疾患が挙げられるが、直腸癌が原因の報告例は少なく、また化学療法時の報告例は少ない。【目的】切除不能直腸癌局所再発症例に対するFOLFIRI、FOLFOX療法中のフルニエ症候群発症の危険因子の検討。【方法】2005年12月から2013年4月までに当科でFOLFIRI、FOLFOXにより治療を開始した切除不能進行再発大腸癌症例は198例であり、そのうち直腸癌術後局所再発例は17例であった。この17例を対象として性別、既往術式、術後縫合不全の有無、放射線療法の既往、糖尿病の有無、ステロイド常用の有無、bevacizumab(以下BV)併用の有無がフルニエ症候群発症に与える影響について検討を加えた。【結果】男性12例、女性5例でフルニエ症候群をきたしたのは男性3例であったが差はなかった(p=0.5147)。フルニエ症候群をきたした3例は58歳2例、74歳1例でいずれも1次治療のFOLFIRI+BV療法で発症し、1コース後、8コース後、23コース後であった。2例は診断確定後直ちに壊死組織のデブリードマンを行い救命し得たが、1例は手術希望なく翌日に敗血症で死亡された。直腸癌に対する術式では腹会陰式直腸切断術4例にフルニエ症候群発症はなく、ハルトマン手術3例中1例、低前方切除術10例中2例に発症していた(p=0.5412)。フルニエ症候群発症時に人工肛門造設のなされていた11例中3例に発症を認めたが、人工肛門の有無による発症率の差は認めなかった(p=0.5147)。術後縫合不全の有無では縫合不全あり5例中3例に発症を認め、なし8例には認めなかった(p=0.0350)。術後放射線療法施行の12例中3例に発症があり、施行のない5例には認めなかった(p=0.5147)。糖尿病症例は2例のみでフルニエ症候群発症はなく(p>0.9999)、ステロイド常用例は1例のみでフルニエ症候群発症はなかった(p>0.9999)。BV併用例は14例でフルニエ症候群発症3例はいずれもBVを併用していたが、併用の有無による発症の差は認めなかった(p>0.9999)。【結語】切除不能直腸癌局所再発症例に対するFOLFIRI、FOLFOX療法中にフルニエ症候群を発症する危険因子は術後縫合不全の既往であり、化学療法中の注意深い観察が必要である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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