演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行・再発胃癌に対する一次治療としてのS-1+docetaxel療法-S-1, S-1+CDDPとの比較

演題番号 : O97-3

[筆頭演者]
楠本 哲也:1 
[共同演者]
木村 和恵:1、堤 敬文:1、太田 光彦:1、杉山 雅彦:1、坂口 善久:1、池尻 公二:1、沖 英次:2、前原 喜彦:2

1:九州医療セ がん臨床研究部・消化器センター外科、2:九州大院 消化器・総合外科

 

【背景と目的】進行・再発胃癌のHER2過剰発現の検査陽性率は我々の検討では10%以下と低く、HER2上乗せのない標準治療レジメンS-1単剤またはS-1+CDDP療法の役割は大きい。一方、S-1+docetaxel療法は大規模臨床試験JACCRO GC-03の結果、標準治療には至らなかったが、我々は、臨床病期IIIA、IIIB (IV)の進行胃癌に対する術前化学療法としてのbiweekly S-1+docetaxel療法の多施設共同臨床第II 相試験を実施しその有用性を報告してきた。現状では、CDDPの導入が困難な症例に対する一次治療のレジメンとして使用している。これまで臨床試験を含めて一次治療として選択されたこれらのレジメンの有効性を後ろ向きに比較した。【対象と方法】S-1を含む化学療法が導入された進行・再発胃癌89例を対象として奏効率(ORR)、疾患制御率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)およびdose intensity, 有害事象を検討した。【結果】各群はS-1単剤15例、S-1+CDDP 21例、S-1+docetaxel 53例であった。ORR/DCRは各々6.7/66.7%、38.1/61.9%、30.2/79.3%で、進行・再発胃癌に対する一次治療としてS-1+docetaxelは、S-1単剤やS-1+CDDPと同等に有効であった。 PFSは各々121日、199日、178日でS-1単剤とS-1+docetaxelの間に有意差がみられた(P<0.05)。OSではMSTが各々892日、293日、669日と、S-1単剤が最も長期生存が得られたが、これは二次治療以降への移行割合が高いことが影響していると考えられた。その二次治療ではS-1+docetaxel導入後は、他のレジメンがpaclitaxelが主であるのに比較してirinotecanが多く選択されていた。二次治療におけるirinotecan単剤15例とpaclitaxel単剤15例の比較では、各々ORR/DCR:20.8/62.5% vs. 13.4/37.5%;PFS中央値:220日 vs. 132日;MST:707日 vs. 751日で、S-1+docetaxel後の二次治療としてirinotecanが使用された群の無増悪期間が最も長期であった。一次治療の各群のdose intensityではS-1に差はなく、docetaxelはCDDPより良好であった。また重篤な有害事象の発現頻度に差はなかった。【考察】実地臨床では一次治療としてのS-1+docetaxel療法は、標準治療であるS-1単剤、S-1+CDDP療法とともに有用な選択肢の可能性があると考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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