一般演題(口演)
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取扱い規約13版におけるStage IB胃癌に対する術後補助化学療法の意義 演題番号 : O97-1
1:大阪市立大、2:大阪市立総合医療セ
【背景】胃癌取扱い規約13版のStage IBの根治切除術後の予後は良好で,胃癌治療ガイドラインでは術後補助化学療法の対象外とされているが,ときに再発症例にも遭遇する.今回,13版におけるStage IB胃癌の治療成績および予後因子について検討した.【対象と方法】1997年1月から2009年12月の間で,当科において胃切除が行われた胃癌症例1519例中,Stage IBと診断されたのは217例(14.3%)であった.これらのうちNAC症例,同時性重複癌,特殊型胃癌,手術関連死,詳細が不明例を除いた201例の治療成績および予後因子についてretrospectiveに検討した.術後補助化学療法ありは6か月より長く投与された症例とした(ただし,抗癌剤内服中の6か月以内の再発は術後補助化学療法あり群とした).生存率はKaplan-Meier法,予後因子は比例ハザードモデルを用いて算出し,p<0.05を有意差ありとした.【結果】平均年齢63.8(32-84)歳.男性:女性=141:60であった.組織型は分化型:未分化型=110例:91例で,腫瘍径は40.7(7-125)mmであった.深達度はm/sm/mp/ss=3/57/88/53例で,14版におけるN分類ではN0/N1/N2/N3=141/41/11/8例であり,Stage分類はStage IB/IIA/IIB=129/64/8例となった.術後補助化学療法は73例に施行されており,全例が経口薬で内訳は5FU/UFT/5'DFUR /S-1=5/59/7/2例であった.観察期間中央値が74(8-152)か月で,再発を15例(7.5%)に認め,部位は肝:6例,リンパ節:5例,腹膜:3例,骨:2例,皮膚:1例であった.原病死13例,他病死12例で,5年生存率は88.1%であった.予後因子の単変量解析では年齢60歳未満,腫瘍径40mm未満,術後補助化学療法ありが予後良好で,これらの因子で多変量解析を行うと年齢60歳未満と術後補助化学療法ありが予後因子となった.【結語】胃癌取扱い規約13版のStage IB胃癌の中にも,術後補助化学療法が有用な症例が存在する可能性が示唆された.
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