演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌化学療法におけるエレンタールの口内炎予防・軽減効果についての検討

演題番号 : O95-6

[筆頭演者]
福井 忠久:1 
[共同演者]
伊藤 由理子:1、折原 美佳:1、河合 貞幸:1、鈴木 修平:1、吉澤 和哉:3、黒木 実智雄:2、吉岡 孝志:1

1:山形大 臨床腫瘍学講座、2:山形市立病院済生館、3:山形大 消化器内科学講座

 

【背景および目的】食道癌における化学療法では口内炎は発症頻度が高い有害事象の一つとして知られている。軽症でもQOLを著しく低下させ、栄養状態が悪化すれば治療計画などにも大きな影響を及ぼす。一方、口内炎に対する有効な治療法は確立されておらず、標準的な治療法も存在しない。グルタミンは抗酸化作用と抗炎症作用によって組織障害を軽減させる作用があり、抗癌剤や放射線による口内炎を軽減させる報告がある。今回我々はグルタミンを含有する栄養剤であるエレンタール(L-グルタミン1932mg含有/1袋)を用いて、口内炎予防・軽減作用について前向きな検討を行った。【対象および方法】平成23年4月1日から平成25年3月30日までに山形大学医学部附属病院および山形市立病院済生館にて食道癌と診断され、化学療法(白金誘導体+5FU療法)または化学放射線療法を予定された15人を対象とした。封筒法による無作為割り付けを行い、エレンタール内服群(ED群)と対象群の2群に振り分けた。ED群には抗癌剤投与7日前から14日間1日1袋内服させた。化学療法開始日の7日前と8日後に口内炎と下痢の評価を行い、同日に血清Alb、好中球数、リンパ球数、血小板数、酸化ストレスの指標として尿中8イソプロスタン、腸管粘膜上皮障害の指標として血清DAO活性を測定した。観察期間中に化学療法を2コース行い、治療前後の計4ポイントでの評価を行った。【結果】登録期間中に計15名が登録され、ED群7名、対象群8名であった。口内炎発症患者はED群3名(グレード1:2名、グレード2:1名)、対象群3名(グレード1:3名)、下痢発症患者はED群1名(グレード1:1名)、対象群2名(グレード1:1名、グレード2:1名)で有意差はなかった。血液生化学検査では対象群でAlb(p=0.001652)、リンパ球(p=012751)の有意な低下を認めたが、尿中8イソプロスタン、血清DAO活性に有意差はなかった。【考察】ED群で口内炎や下痢の発症率が低下する事はなかったが、対象群と比較して血清Albやリンパ球数低下を軽減する可能性が示唆された。事前の検討ではエレンタール内服によって口内炎のグレードが軽減する患者も散見されたが、今回の検討では症例数が少ない事もあり、さらに症例を重ねて検討していく必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:支持療法

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