演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

消化器癌化学療法患者における早期栄養サポート介入の有用性

演題番号 : O95-4

[筆頭演者]
山本 由佳子:1 
[共同演者]
寺岡 均:2、平川 俊基:2、西村 潤也:2、北山 紀州:2、埜村 真也:2、野田 英児:2、西野 裕二:2、趙 玉蓮:3、松井 理恵:3、村島 美紀:1、加藤 麗子:1、正本 恵子:1

1:社会医療法人ペガサス馬場記念病院 看護部、2:社会医療法人ペガサス馬場記念病院 外科、3:社会医療法人ペガサス馬場記念病院 栄養部

 

【背景】消化器癌の化学療法では,口腔粘膜炎・知覚不全や様々な消化器症状などの有害事象により経口的な栄養摂取が困難となり,高カロリー輸液などの栄養管理を要することがしばしば見受けられる.また,適切な栄養コントロールが得られずに高度な栄養障害に至ってしまうと,治療成績や長期予後にも影響をきたしてくる.欧州静脈経腸栄養学会 (ESPEN) のガイドラインにおいても化学療法中には,積極的に栄養相談や栄養補給を行うことがエビデンスレベルAとして推奨されている.そのため化学療法施行時には,早期に栄養サポートの介入が望ましいと考えられる.今回われわれは,当院にて化学療法を行った患者を対象とし栄養サポート介入の有用性についてのレトロスペクティブな検討を行った.【対象と方法】2011年12月~2012年11月の間に,当院にて消化器癌に対して化学療法を行った症例30例を対象とした.早期から栄養サポート介入を行った群及び,行わなかった群を抽出し,栄養評価の指標であるGeriatric Nutritional risk index (GNRI) や予後評価の指標であるGlasgow prognostic score (GPS) などが,TTF (time to treatment failure) へ与える影響を検討した.さらに早期栄養サポート介入群と非介入群を年齢,性別,発生部位,stage,BMI,%理想体重,GNRI,GPS,有害事象などの臨床的因子により比較検討した.【成績】男性24例,女性6例であり,年齢中央値68歳であった.早期から栄養サポート介入を行った群は10例,行わなかった群は20例であった.早期栄養サポート介入群と非介入群との患者背景を比較検討したところ,年齢,性別,発生部位,stage,BMIなどでは有意差は認められなかったが,理想体重が低い症例には早期に栄養サポートの介入が行われていた (p=0.011).早期栄養サポート介入は,GNRIへの影響は認められなかったが (p=0.452),GPSの改善に寄与していた (p=0.045).さらに有害事象においても,栄養サポートを行うことで有意にイベントを減少させることが確認された (p=0.045). TTFでは,栄養サポート介入群が非介入群と比較し有意に治療期間の延長が認められた (p=0,032, log-rank).【結論】消化器癌化学療法における早期栄養サポートの介入は,重度の有害事象を未然に防ぐことが可能であり,化学療法の完遂および長期予後への寄与が期待できる.

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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