演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

消化器癌症例に対するNST活動の有用性と問題点

演題番号 : O95-3

[筆頭演者]
宮地 正彦:1,2 
[共同演者]
清田 義治:1、木村 研吾:1、山中 美歩:1、藤崎 宏之:1、有川 卓:1、田井中 貴久:1、伊藤 暢宏:1、大橋 紀文:1、永田 博:1、鈴村 和義:1、野浪 敏明:1、宇留間 元昭:2

1:愛知医科大学 消化器外科、2:愛知医科大学 消化器外科

 

【目的】消化器癌症例においては周術期、術後合併症時、化学療法期、緩和医療期に栄養療法が役立つことができる。しかしNSTがこのような症例に関与することは多くはない。今回は消化器外科病棟における消化器癌症例の周術期、術後合併症時、末期緩和医療期にNST活動の関わりの有効性と問題点について検討した。【対象】平成23年4月から24年3月に当院に入院し、栄養アセスメントで高度障害と判断された792例のNSTラウンド依頼率を調査した。消外病棟のNSTナースが平成24年4月から12月に入院した高度障害、食事摂取不良を伴う消化器癌例から74例をピックアップし、NST所属消外医、看護師、栄養師、嚥下療法看護師で2回以上ラウンドした消化器癌32例を同時期のイレウス、腹膜炎術後17例、また全病棟ラウンド例と比較検討した。【成績】高度障害例792例中、NSTラウンド依頼は74例(9.3%)であった。消化器系の高度障害患者は277例、35.0%と高率であったが、依頼率は1.8%と他科の13.3%と比べ、極めて低率であり、消化器系医師はNSTの関与を望まなかった。NSTラウンド依頼56例中、2回以上ラウンドした50例に対し、平均5.8回のラウンドを行った。消外病棟での2回以上ラウンドした消化器癌32例(手術後6例、術後合併症9例、癌末期17例)に対し、平均3.9回のラウンドを行い、全科ラウンドより短期間の関与であった。食事指導を全例、補液内容の変更指導を28例、栄養法の変更指導を9例、嚥下指導2例、緩和指導10例に行った。改善35例、71%、不変12例、25%、悪化2例、4%で、全体ラウンドの56%、28%、10%より改善例が多かった。術後・術後合併15例では改善14例、94%、不変1例、7%で改善例がほとんどであった。癌末期17例であっても改善7例、41%、不変7例、41%、悪化3例、18%と改善例もあり、経口摂取の改善によるものであった。主治医もNST指導に従うように変化し、栄養管理能力が向上した。【結語】消化器系医師からNSTラウンドの依頼率は低く、NSTに栄養管理を頼りたくないとの思いがあり、依頼制のままではNSTの恩恵に与れない例が多く存在する。消外科病棟には消化器癌症例の周術期、術後合併症時、末期緩和医療期の栄養障害例が多く、NSTの関与は短期間に状態を改善させ、医師の栄養管理能力も高める効果を認めた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:QOL

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