演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌化学療法の抗EGFR抗体による 皮膚症状が日常生活に及ぼした影響

演題番号 : O95-2

[筆頭演者]
板垣 和人:1 
[共同演者]
澤 朋枝:1、須藤 剛:1

1:山形県立中央病院 6階西病棟

 

近年、大腸がん化学療法は抗EGFR抗体を使用する機会が増加し、副作用である皮膚症状の出現率は80%を超える。当院において同抗癌剤を使用する患者に対し保湿剤を使用した乾燥予防、抗生剤の予防投与を行っている。また、症状出現時はステロイド軟膏、抗生剤入り軟膏を使用している。病棟・外来化学療法看護部としても手足の洗浄方法やスキンケアなどの指導も施行している。このように当院においての皮膚症状に対する標準予防策・対応策はあるが、皮膚症状が出現するとされている投与後1〜2週間は自宅で過ごしている。部位別にどのような皮膚症状が出現し日常生活に影響を及ぼしたかを明らかにし、今後の患者指導の参考としたいと考えた。尚、本研究は当院の看護研究委員会で承認を得て施行した。対象と方法:抗EGFR抗体使用例(81例:パニツマブ31例、セツキシマブ50例)、2012年9月〜パニツムマブ:結腸癌(女性1名)直腸癌(男性2名)、セツキシマブ:結腸癌(男性1名、女性2名)直腸癌(男性1名,女性1名)計8名で(平均年齢:59.5歳、32〜84歳)を対象に半構成的面接を行い(レコーダーにて録音)その後逐語録を作成、カテゴリー化し分析を行った。結果:皮膚障害は、ざ瘡様皮疹Grade1(1例)Grade2(6例)Grade3(3例)、爪囲炎はGrade1(2例)Grade2(5例)Grade3(1例)、乾燥・掻痒感はGrade1(6例)Grade2(2例)Grade3(0例)で、具体的な声として「一番ひどいのは手ですね。ズボンの上げ下げで親指は一番早くひどくなりました。」「最初に足の爪の周りが腫れました。爪は歩くのが痛い。」から手指や足の皮膚症状は家事・更衣・歩行等の日常生活を困難なものにしていた。また「職業柄お客さんに顔を見せられない。お客さんに聞かれるのが嫌だった。」「ニキビが頭に出るので寝るのも洗うのもつらい。」から頭部は睡眠障害をきたし、顔面の皮膚症状は容姿の変貌から精神的な苦痛を招いていた。まとめ:抗EGFR抗体は当院でも積極的に施行しており、皮膚障害における患者の身体的・精神的な負担も大きい。今後は患者の生活背景を理解し個々に応じたケアの選択・指導が必要であり、導入前から本人と家族への対処方法の情報提供と心理的なサポートが重要である。また早期に対応するため医療スタッフ間で十分な情報共有を図ることも必要と考える。尚、現在研究は継続中であり今後は対象者を増やし報告する予定である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:がん看護

前へ戻る