演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌に対するDCF療法とFP化学放射線療法との通過障害改善効果の比較検討

演題番号 : O93-5

[筆頭演者]
宇良 敬:1 
[共同演者]
室 圭:1、安藤 正志:1、高張 大亮:1、門脇 重憲:1、谷口 浩也:1、野村 基雄:1、山口 和久:1、新田 壮平:1、成田 有季哉:1、小森 梓:1、上垣 史緒理:1

1:愛知県がんセ中央病院 薬物療法部

 

【背景】T3胸部食道癌では通過障害を有することが多く、非切除例に対し症状緩和目的の化学放射線療法を用いることが多い。一方、腫瘍縮小効果の優れたDCF療法の臨床導入により通過障害の改善が経験され、通過障害改善を治療利益と考える症例に対して初回治療として選択する治療戦略が考えられる。【目的】通過障害改善効果を主目的としてDCF療法(DCF)とFP化学放射線療法(FP-RT)の成績を比較検討する。【方法】検討方法は単施設の後方視的検討。対象は2006~2012年に初回治療でDCFまたはFP-RTを受けた通過障害を有するPS0-1のT3胸部食道癌症例。通過障害はOgilvieらのスコアを用い、0:無症状、1:つかえはあるが常食を摂取する、2:半固形物を摂取、3:流動物、水分のみ摂取、4:絶飲食とした。通過障害改善効果はスコアの1段階以上の改善を有効、1段階以上の悪化を増悪、スコア変化なしを無変化と定義。改善効果評価時期はDCF 2コースまたはFP-RT終了後3-4週時点。有害事象についても検討。DCFはドセタキセル60-70mg/m2/d1、シスプラチン60-70mg/m2/d1、5-FU 750-800mg/m2/d1-5、3-4週毎2コース、FP-RTはシスプラチン70mg/m2/d1、5-FU 700mg/m2/d1-4、4週毎2コース、放射線照射は50Gy以上の計画である。【結果】DCF57例とFP-RT 37例が抽出。4期はDCF26例、FP-RT37例。PS0はDCF 12例、FP-RT 3例。腫瘍長径中央値[範囲]はDCF 6cm[2-15cm]、FP-RT 6cm[3-13cm]。治療開始前のスコア1/2/3/4:DCF 19/25/7/6、FP-RT 8/26/1/2。改善効果はDCF有効/無変化/増悪:45/12/0例、症状改善割合79%[95%信頼区間:66-89%]、FP-RT有効/無変化/増悪:22/7/8例、症状改善割合59%[95%信頼区間:42-75%]。後者では狭窄悪化により症状増悪を認めた。主な有害事象では、DCFでGr3以上の白血球減少53%、好中球減少79%と多く、FP-RTでは84%で食道炎を認めGr3以上が14%。早期死亡はDCFで認めず、FP-RTで3例8%に認めた。【結論】DCFはFP-RTよりも通過障害改善効果に優れる可能性があり、早期死亡もなく、症状緩和を目的とした治療法としてリスクベネフィットバランスに優れる可能性をもち前向きに評価する必要がある。

キーワード

臓器別:食道

手法別:化学療法

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