演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

KRAS遺伝子変異別の有効性解析:IRIS/Bevの第II相試験(HGCSG trial)

演題番号 : O91-1

[筆頭演者]
太宰 昌佳:1 
[共同演者]
結城 敏志:2、宮城島 拓人:1、佐々木 尚英:2、中村 路夫:3、西川 秀司:3、畑中 一映:4、成瀬 宏仁:4、斎藤 聡:5、工藤 峰生:6、加藤 貴司:7、赤倉 伸亮:8、舘山 美樹:9、坂田 優:10、小松 嘉人:2

1:釧路労災病院 消化器内科、2:北海道大学病院 消化器内科/腫瘍センター、3:市立札幌病院 消化器内科、4:市立函館病院 消化器科、5:三沢市立三沢病院 腫瘍内科、6:札幌北楡病院 消化器科、7:北海道消化器科病院 内科、8:NTT東日本札幌病院 消化器内科、9:苫小牧日翔病院 内科、10:三沢市立三沢病院

 

背景:KRAS遺伝子変異は切除不能進行/再発結腸直腸癌に対する抗EGFR抗体薬の負の効果予測因子として確立しているが、Bevacizumabを用いた治療においてはKRAS遺伝子変異の有無にかかわらず有効性が報告されている。今回、我々はIRIS/Bev(Irinotecan/S-1/Bevacizumab)の第II相試験結果(Komatsu Y et al Acta Oncol 2012 / Yuki S et al ASCO 2012)を用いて、KRAS遺伝子変異別に有効性を比較検討した。
方法:本解析ではIRIS/Bevの第II相試験に参加した症例データを用いて、後方視的に解析を行った。本試験には組織学的に腺癌が証明された転移性結腸直腸癌で年齢20歳以上、ECOG PS 0-1、化学療法歴のない症例が対象となった。S-1は40-60mg/回を1日2回14日間内服し、14日間休薬。Irinotecan 100mg/m2、Bevacizumab 5mg/kgを1日目・15日目に投与し、28日を1サイクルとして繰り返した。腫瘍縮小効果に関してはRECIST v1.0を用いて評価を行った。無増悪生存期間/全生存期間はKaplan?Meier法を用い、KRAS野生型/変異型の比較検討にはLog-rank検定/Cox比例ハザードモデルを用いた。
結果:本試験に登録された53例のうち、KRAS遺伝子を評価したのは43例であった。43例のうち、KRAS野生型は27例、変異型は16例であった。本試験の最終解析データ(観察期間中央値 54.9ヶ月)を用いて有効性の比較検討を行った。奏効率はKRAS野生型では63.0%、変異型は68.8%であった(p=0.752)。無増悪生存期間に関しては、KRAS野生型の中央値が17.1ヶ月、変異型は22.7ヶ月であった(Hazard Ratio(HR) 1.289(95%Confidence Interval(CI) 0.652-2.548), p=0.531)。全生存期間はKRAS野生型で49.0ヶ月、変異型は38.0ヶ月であった(HR 0.902(95%CI 0.408-1.994), p=0.906)。
結語:今回の解析対象において、IRIS/BevはKRAS野生型/変異型のいずれにも同等の有効性を示していた。IRIS/Bevの有効性はKRAS遺伝子変異に影響を受けない可能性が考えられ、更なる大規模試験での検証が待たれる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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