演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行再発乳癌におけるS-1とCapecitabineの比較

演題番号 : O9-2

[筆頭演者]
平野 明:1 
[共同演者]
服部 晃典:1、井上 寛章:1、小倉 薫:1、上村 万里:1、大久保 文恵:1、阪口 志帆:1、木下 淳:1、藤林 真理子:2、清水 忠夫:1

1:東京女子医科大学東医療センター 乳腺科、2:東京女子医科大学東医療センター病院病理科

 

(はじめに)進行再発乳癌におけるAnthracycline(A), Taxane(T)後の3rd lineの化学療法として、Capecitabine(X)はevidence levelの高い薬剤であるが、本邦ではS-1(S)も選択される。しかし乳癌ではSとXの直接比較試験は行われていない。今回、XとSの治療成績についてretrospectiveに比較した。(対象)2003-12年に当科でS, Xのいずれか一方もしくは両者を投与した進行再発乳癌70例。LapatinibとXの併用は検討から除外した。(方法)Xは1650mg/m2分2を3週投与1週休薬、一部でCyclophosphamide(C) を併用するXC療法も行った。XCではXは同量、C 100mg 分2同時内服で2週投与1週休薬。Sは80mg/m2分2を4週投与2週休薬(一部2週投与1週休薬)。S先行群(SのみとSX)とX先行群(XのみとXS)の効果と有害事象についての比較およびcross-overした症例におけるS→X(SX)群とX→S(XS)群の比較を行った。(結果)平均観察期間23.1ヶ月で、再発57例、StageIV13例。HR(Hormone receptor)+/HER2- 35例、HR+/HER2+ 2例、HR-/HER2+ 10例、HR-/HER2- 23例。前治療はA 52例、T 47例。S先行群30例、X先行群40例。うち両者を投与したcross-over例が27例で、SX群13例、XS群14例。再発後化療line数の中央値はSが2でXが2.5。S先行群とX先行群の比較では、無増悪期間中央値(TTP)はS先行群におけるS 7.4ヶ月、X先行群におけるX 4.5ヶ月、奏効率はS 26.7%、X 20.0%、臨床的有用率はS 50.0%、X 32.5%であった。また生存期間中央値(MST)を比較すると、S 19.0ヶ月、X 19.1ヶ月(p=0.4481)であった。さらにcross-over例におけるMSTはSX 20.4ヶ月、XS 31.6ヶ月(p=0.8174)であった。有害事象は手足症候群(HFS)がSでGrade(G)1が9例、G2が3例、27.2%に認められ、XでG1が16例、G2が3例、G3が2例、39.6%に認められた(p=0.1438)。cross-over例におけるHFSはSで7例、Xで13例に認められ、有意にXで高率であった(p=0.0290)。その他のG3以上の有害事象は白血球減少S 4例、X 0例、好中球減少がS 4例、X 1例、ヘモグロビン低下がS 2例、X 1例、ALP上昇がS 1例、X 1例であった。(考察)S先行群はTTP、奏効率においてXに勝る傾向が見られ、MSTはほぼ同等であった。有害事象に関してはHFSはXで重篤であったが、その他の有害事象はSで重篤である傾向が見られた。retrospectiveな検討ではあるがSはXと比較して遜色ない効果が得られ、HFSも軽度であり、有用な選択肢となる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

前へ戻る