演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

強力な治療が不適な未治療進行再発大腸癌へのl-LV/5-FU+ベバシズマブの第II相臨床試験

演題番号 : O89-3

[筆頭演者]
中村 将人:1 
[共同演者]
加藤 健志:2、吉田 元樹:3、三宅 泰弘:2、岩本 慈能:4、松岡 正樹:5、大辻 俊雄:5、佐藤 太郎:6、坂井 大介:7、古河 洋:8

1:社会医療法人財団慈泉会相澤病 相澤がん集学治療セ、2:箕面市立病、3:大阪医科大、4:関西医科大学附属枚方病、5:土庫病、6:近畿大、7:大阪大学院、8:市立堺病

 

背景:近年、高齢化社会の進行とがん以外の疾病の治療成績上昇により、高齢、またはPS不良のがん患者の増加がみられる。進行・再発大腸癌に対してはL-OHP、CPT-11、5-FU製剤と分子標的治療薬の併用療法が標準治療であるが、それらのいわゆるintensiveな治療が困難な症例に対する標準治療は確立していない。l-LV/5-FU(mRPMI)はポートを使用しないことで患者による管理は不要で、高齢者やPS不良症例でも受容しやすいレジメである。l-LV/5-FUに抗VEGF抗体であるベバシズマブを組み合わせることで、高齢者やPS不良症例でも有害事象を低く抑えながら高い治療効果を期待することが可能と考え第II相臨床試験を実施した。方法:未治療の進行・再発大腸癌で、1)医師がL-OHPおよびCPT-11での治療が困難と判断した, 2)ECOG PS 1-2, 3)65歳以上, 4)Alb<3.5g/dl, 5)骨盤/腹部への放射線治療歴あり、のいずれかの項目を満たす症例を対象とした。mRPMI (l-LV 250mg/m2div、5-FU 600mg/m2 bolus)は3週投与1週休薬とし、ベバシズマブは5mg/kgを2週間毎に点滴静注した。主要評価項目は全奏効率、副次的評価項目は安全性、無増悪生存期間、全生存期間、そして治療完遂状況(相対用量強度)とした。閾値奏効率を15%、期待奏効率を35%とし、片側検定でα=0.05,1-β≧0.90として目標症例数を40例とした。結果:2009年7月から2010年12月の期間に、13施設から41例が登録された。年齢中央値76歳(56-90)、ECOG PS(0/1/2)は21/19/1。全奏効率は36.6%で、期待奏効率の35%より高値であった。無増悪生存期間の中央値は8.2ヵ月(95%CI, 5.7-11.0ヵ月)、全生存期間は24.0ヵ月(95%CI, 19.9-未到達)。有害事象は40例(97.6%)に認め、主なGrade 3/4の有害事象は、好中球減少(24%)、食欲不振(10%)、白血球減少(7%)、口内炎(7%)であった。5-FUとベバシズマブの治療完遂状況(相対用量強度)は、それぞれ86.9%、83.6%であった。結論:l-LV/5-FU+ベバシズマブは主要評価項目を満たし、未治療の進行・再発大腸癌で、強力な治療が不適な患者に対して有効であると判断された。本試験での患者年齢は高かったが、高い忍容性が認められ、グローバルで実施された第III相臨床試験(AVEX試験:カペシタビン+ベバシズマブ)の結果とほぼ同等だった。l-LV/5-FU+ベバシズマブは、強力な治療が不適な進行・再発大腸癌に対し、安全かつ有効な治療選択となり得る。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:臨床試験

前へ戻る