演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院における抗EGFR抗体薬治療プログラムについて

演題番号 : O88-5

[筆頭演者]
金井 俊平:1 
[共同演者]
間中 大:1、西躰 隆太:1、小西 小百合:1、濱洲 晋也:1、吉野 健史:1、神頭 聡:1、光岡 英世:1、工藤 亮:1

1:京都桂病院 消化器センター 外科

 

(はじめに) K-ras野生型大腸癌の治療に使用する抗EGFR抗体薬で最も頻度の高い副作用は皮膚症状であるが,抗EGFR抗体薬は皮膚症状の発現および重篤度と効果(奏効割合、生存率)が相関する事が報告されているため、「皮膚症状の発現」=「薬剤の中止・変更」とするのではなく,対症的に皮膚症状の軽減・制御をはかりながら治療を継続させていく対応が求められている。(当院での対策) 当院では,抗EGFR抗体薬を使用する患者の治療継続およびQOL維持のために,多職種間での情報の共有化および皮膚症状対策の標準化を図る目的で抗EGFR抗体薬治療プログラムを作成,運用している。プログラムは(1)医師による副作用予防目的のセット処方,(2)皮膚症状対策マニュアル,(3)アセスメントから構成される。具体的な内容としては,まず担当医師が抗EGFR抗体薬治療に関して十分に説明を行い,初回投与日に予防的スキンケアを目的として皮膚症状対策基本セット(外用ステロイド2剤および保湿剤)を処方する。薬剤師は皮膚症状対策マニュアルに基づき,皮膚症状の種類、発現時期、外用薬の使用方法について十分に解説を行い,看護師はマニュアルに基づき皮膚の(1)保清(2)保湿(3)外的刺激(圧力,紫外線,温熱など)からの保護の方法についての指導,および治療中のセルフケア状況の確認を行う。アセスメントでは,看護師がCTCAE ver4.0に準じて作成したアセスメントシートを用いて,患者に皮膚症状および爪囲炎,手足症候群も含めて十分に問診を行いgradeを評価する。シェーマを用いて皮疹の部位,それぞれのgradeについて詳細に記載し,それらの情報をカルテ上に反映することによって医師は外来診察の際に減量,皮膚科診の必要性などを判断する。2012年6月からプログラムの運用を開始し,現在までに8症例に適用している。皮膚症状で2例のGrade3を認めているが速やかに対策を講じ,抗EGFR抗体薬を再開できている。(結語) 抗EGFR抗体薬による皮膚障害には予防と早期の適切な対処が重要であり,そのためには医師だけでなく,診療にかかわる各職種が役割を分担し,情報を共有化することが必要である。当院の治療プログラムはそのような円滑なチーム医療を実現する上で有用であり,抗EGFR抗体薬治療継続に寄与すると思われる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:チーム医療

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