演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌補助化学療法アンケート調査-患者と医療者との再発リスク低下への意識の違い

演題番号 : O88-2

[筆頭演者]
成田 有季哉:1 
[共同演者]
谷口 浩也:1、小森 梓:1、上垣 史緒理:1、新田 壮平:1、山口 和久:1、野村 基雄:1、門脇 重憲:1、高張 大亮:1、宇良 敬:1、安藤 正志:1、木下 敬史:2、木村 賢哉:2、小森 康司:2、室 圭:1,3

1:愛知県がんセンター中央病院 薬物療法部、2:愛知県がんセンター中央病院 消化器外科部、3:愛知キャンサーネットワーク

 

【背景】本邦ガイドラインではStage III大腸癌術後補助化学療法(補化療)としてFOLFOX/CapeOX(Ox)、UFT+LV(UL)、Capecitabine(C)療法などリスクベネフィットが異なる複数の治療レジメンが推奨されている。一方、本邦の患者を対象とした補化療の再発リスク低下に対する意識調査は報告がない。【目的】 医療者と大腸癌生存者との補化療治療選択に関する意識の違いを明らかにする。【対象と方法】補化療を受け再発を認めない大腸癌患者(Pt)、化学療法に携わる医師(Dr)、看護師(Ns)を対象に匿名自記式アンケートを実施。質問項目は「再発率を40%・25%・10%と仮定した場合、何%の絶対リスク減少が期待できれば副作用の強い(強)・中等度(中)・弱い(弱)補化療を受けるか」(医療者は自分が罹患した場合を想定)【結果】Ptは当院144人(回収率86%)、年齢中央値61歳、補化療レジメンUFT/5-FU+LV/UL/C/S-1/Ox 13/10/25/39/31/26、Stage II/III/IV 6/127/11、Oxを受けたPtの73%はStage IIIb/IVであった。医療者はDr54人、Ns82人(4施設)。再発率40%が30%に下がると期待できる(40--30%)補化療を受けると回答した割合は、(副作用強)Pt26%/Dr54%/Ns22%,(副作用中)Pt40%/Dr89%/Ns42%,(副作用弱)Pt44%/Dr97%/Ns59%であり、PtはDrに比較して治療意欲が低い傾向にあった。また、医療者では副作用が軽くなるにつれ治療意欲が高まるが、Ptでは副作用中と弱で治療を受けると回答した割合が同程度だった。DrとNsでも補化療の治療意欲が異なり、医療者間でも差がみられた。再発率25--20%の場合も、(副作用強) Pt18%/Dr31%/Ns18%、(副作用中)Pt35%/Dr63%/Ns33%、(副作用弱)Pt40%/Dr83%/Ns51%と同様の傾向であった。また、1%でも絶対リスク低下が期待できるなら副作用中の補化療を受けると回答したPtが14%いた一方、20%の絶対リスク低下が期待されても補化療を受けないと回答したPtも14%認めた。また、背景因子と治療意欲との関連について検討したところ、年齢50歳未満のPtでは70歳以上に比較して治療意欲が高い傾向にあったが、性別・結婚歴・学歴・収入や実際の治療レジメンと治療意欲との間に強い関連性は認めなかった。【結論】Ptの補化療に対する治療意欲は医療者と異なるだけでなく、Pt間でも治療意欲に大きな差が認められた。Drは実際の再発リスクだけでなく、Pt自身の再発リスクに対する意識を考慮した上で、補化療のリスクベネフィットを判断することが重要と考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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