演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

XELOX±ベバシズマブ療法における手足症候群重篤化のリスク因子

演題番号 : O86-3

[筆頭演者]
横川 貴志:1 
[共同演者]
川上 和宜:1、前 勇太郎:1、杉田 一男:1、渡邉 大至:1、鈴木 賢一:1、末永 光邦:2、水沼 信之:2、山口 俊晴:2、濱 敏弘:1

1:がん研究会有明病 薬剤部、2:がん研究会有明病 消化器セ

 

【背景・目的】
XELOX±ベバシズマブ療法は、カペシタビン由来の手足症候群が高頻度で発現する。手足症候群の発現機序は解明されておらず、症状発現や重篤化の予測が困難である。本研究において、手足症候群の発現状況と重篤化のリスク因子を明らかにする。
【方法】
がん研究会有明病院にて、2009年10月1日から2012年3月31日の期間にXELOX±ベバシズマブ療法を導入した大腸がん患者のうち、8サイクル以上継続できた症例を対象とした。観察期間は1サイクル目から8サイクル目とし、レトロスペクティブに調査した。手足症候群の重篤度は、薬剤師がCTCAEver4.0に従いサイクルごとに評価した。症状が発現するまでのカペシタビン累積投与量と累積手足症候群発現患者割合との関連性をKaplan-Meier法で評価した。さらに、手足症候群重篤化のリスク因子を多変量解析(多重ロジスティック回帰分析)にて検討した。
【結果】
評価対象症例は130例であった。Grade 1の手足症候群は、カペシタビン累積投与量100 g/m²で80%、200 g/m²で90%以上の患者に発現した。Grade 2≦の手足症候群は、100 g/m²で10%、 200 g/m²で30%以上の患者に発現した。多変量解析の結果、糖尿病(OR: 6.06, 95% CI: 1.92-19.13, p=0.002)、ベバシズマブ併用(OR: 4.11, 95% CI: 1.29-13.08, p=0.016)、手足症候群Grade 1発現までの期間(OR: 3.03, 95% CI: 1.20-7.65, p=0.019)の3項目において、統計学的に有意な関連が認められた。
【考察】
NO16966試験において、重篤な手足症候群の発現率がベバシズマブ併用群で高いことが示されている。また、Ronaldらのメタ解析において、ベバシズマブ併用が手足症候群発現のリスク因子であることが報告されている。本研究結果は、これら先行研究の結果を支持するものである。一方、糖尿病と手足症候群の関連を示す先行研究はないが、糖尿病と創傷治癒、創傷治癒とエクリン汗腺の関連を示す報告がある。手足症候群の発現機序の一つとして、エクリン汗腺からの薬剤分泌が考えられており、糖尿病がその機序に影響を及ぼした可能性が示唆される。XELOX療法導入時にこれらのリスク因子を評価することで症状予測が可能となり、手足症候群の重篤化回避につながると考える。
【結語】
XELOX療法における手足症候群は蓄積毒性であり、糖尿病、ベバシズマブ併用、手足症候群Grade 1発現までの期間が重篤化リスク因子である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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