演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌患者に対するUGT1A1遺伝子多型別のFOLFIRI療法の安全性の調査

演題番号 : O86-2

[筆頭演者]
宮田 佳典:1 
[共同演者]
當山 鉄男:2、久須美 貴哉:3、森田 吉多佳:4、玉川 浩司:5、水沼 信之:6、小森 孝通:7、谷口 史洋:8、嶋田 顕:9、真鍋 光晶:10

1:佐久総合病院 腫瘍内科、2:中頭病院 外科、3:恵佑会札幌病院 消化器外科、4:国立病院機構 神戸医療センター 放射線科、5:大阪府立急性期・総合医療センター 外科、6:がん研有明病院 消化器センター・消化器化療、7:公立学校共済組合近畿中央病院 外科、8:京都第一赤十字病院 外科、9:昭和大学横浜市北部病院 内科、10:株式会社ヤクルト本社

 

【背景】UGT1A1*6、*28の遺伝子多型とカンプト®点滴静注(CPT-11)による高度な好中球減少の発現が関連していることは広く知られており、UGT1A1遺伝子多型検査は、2009年4月に保険適用となった。そこで、治療開始時にUGT1A1*6、*28遺伝子多型が判明している大腸癌患者に対するFOLFIRI療法の安全性情報を収集する前向の使用実態状況調査を実施した。2010年度本学会にて、202例を対象に2サイクル目までの安全性情報の中間報告をした。今回、集積された全症例の観察期間が終了した情報の集計結果を報告する。
【対象・方法】治療開始前にUGT1A1*6、*28遺伝子多型が判明した大腸癌に対してFOLFIRI療法を施行する患者を対象とした。CPT-11の開始用量は主治医が決定した。調査項目はUGT1A1*6、*28遺伝子多型、薬剤投与量、副作用、治療中止理由などとした。安全性の評価は、UGT1A1*6、*28遺伝子多型に基づき、ワイルド群(*1/*1)、ヘテロ群(*1/*28*1/*6)、ホモ群(*28/*28*6/*6*28/*6)に分類して解析を実施した。
【結果】2009年4月~2011年3月までの登録期間で、795例の安全性評価例が集積された。遺伝子多型別にワイルド群が398例(50.1%)、ヘテロ群が327例(41.1%)、ホモ群が70例(8.8%)であった。年齢、PS、合併症などの患者背景に各群間の偏りはなかった。ワイルド群、ヘテロ群、ホモ群の順で、CPT-11の開始用量中央値[範囲]は、143.0 mg/m2[56.0 - 185.0 mg/m2]、143.0 mg/m2[23.0 - 181.0 mg/m2]、115.0 mg/m2[41.0 - 180.0 mg/m2]、治療サイクル数中央値は、8サイクル、8サイクル、7サイクル、grade3以上の副作用発現例数は、213例(53.3%)、306例(64.6%)、64例(68.6%)、grade3以上の好中球減少の発現例数は、177例(44.5%)、177例(54.1%)、40例(57.1%)、副作用による中止例数は、60例(15.1%)、53例(16.2%)、10例(14.3%)であった。
【結論】既存の報告と同様に、ワイルド群、ヘテロ群、ホモ群の順に好中球減少の発現率は高くなる傾向にあったが、ホモ群に対するCPT-11の開始用量は、ワイルド群、ヘテロ群に比べ20%減量することで、ワイルド群、ヘテロ群と同等の安全性を確保できることが示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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