演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

XELOX療法を受ける患者の有害事象管理への取り組み ~治療日記を導入して~

演題番号 : O85-5

[筆頭演者]
奥澤 千絵:1 
[共同演者]
有薗 恵子:1、麦谷 達郎:1,2

1:大阪鉄道病院 看護部、2:大阪鉄道病院 外科

 

【はじめに】XELOX療法を受ける患者は治療期間である3週間を在宅で過ごす。そのため、在宅療養中は患者自身が症状をマネジメントする必要がある。当院では、XELOX療法を受ける患者に対し、有害事象管理のツールとして治療日記(以下日記)を導入した。今回日記を使用した結果と、日記未使用患者に対する今後の課題について報告する。【対象・方法】2012年1月から2013年3月までにXELOX療法(+ベバシズマブを含む)を受けた患者33名を対象とし、初回投与時に日記記載の目的と使用方法を説明した。次回投与日に日記使用の有無を確認し、日記使用患者はその活用状況を、未使用患者は簡易問診票や面談などの方法で、在宅での有害事象の観察状況を確認した。【結果および考察】日記使用患者は33名中21名であり、2コース目以降も全員継続して活用していた。日記には、内服記録や有害事象の発現時期、持続期間が詳細に記載されていた。日記は観察点が一目でわかるよう作成されているため、使用することで患者自身の有害事象の理解と観察力の向上につながったと考える。また、日々記録することにより詳細な情報伝達が可能であるため、医療者と患者で有害事象の対策を具体的に話し合うことができた。このことが日記の継続性と自己管理能力の向上に寄与したと考える。化学療法をうける患者は、治療開始時の時点では有害事象に対し具体的なイメージがなく、観察方法や対策などの方略が見いだせていない可能性があるため、患者自身が有害事象管理を行うツールとして日記を活用することは有用であると考えられた。一方、日記未使用患者12名の中には有害事象の発生時期・期間を把握できていない患者がいた。有害事象に関する記憶が曖昧になっている、観察点の理解不足などが理由であった。未使用理由は様々だが、日記は個々の社会的背景や協力者の有無、ライフスタイルなどから、患者のセルフケアレベルを把握したうえで使用するものであり強制はできない。よって、日記未使用患者の有害事象管理には、電話サポートなど日記使用患者以上に医療者側からの積極的な介入を必要とすることが示唆された。【おわりに】日記は、有害事象に対する観察力を高め、医療者と積極的にコミュニケーションを取りながら症状マネジメントしていくための共通ツールとして活用できる。しかし、患者背景やセルフケア能力に応じて日記以外の支援体制を構築していくことも必要である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:がん看護

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