演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん患者における治療選択意思決定と治療満足度のアンケート調査

演題番号 : O84-5

[筆頭演者]
西森 久和:1 
[共同演者]
高下 典子:2、石川 貴子:2、木浦 勝行:3

1:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科血液腫瘍呼吸器内科学、2:岡山大学病院看護部、3:岡山大学病院呼吸器アレルギー内科

 

【背景】近年、インターネットなど情報網の普及により医療情報が比較的容易に手に入るようになったため、患者自身が情報収集をして、自分の納得する治療を選択したい、もしくは治療法選択に患者自身も積極的に参加したい、という声も多くなっている。しかし、現実に患者が治療選択に参加するにあたっての問題点や、患者・医療者間の良好な協力体制を維持する方法は、明確でない。【目的】がん患者におけるがん治療選択についての現状と、意思決定の支援状況を明らかにすること、また医療者が、この意思決定にどのように関与するのが良いかを検討することである。【方法】平成25年3月の1ヶ月間に岡山大学病院に入院したがん患者で、初発・再発を含めてがん治療を施行している患者を対象として、文書によるアンケート形式(白鵬大学 海原純子先生御作成のアンケート文書を基に作成)で調査を行った【結果】書面による同意が得られた121例の患者背景は60歳代が35%と一番多く、男性/女性が60%/40%、就業者が35%、既婚者が74%、がん確定診断から3年未満が76%、PS0-1が53%であった。癌腫別では肺癌が25%、食道・咽頭癌が11%、大腸癌が8%の順であった。治療方法の選択は医師主導が64%と多く、患者と医師が共同で決定したのは31%であった。治療法について患者自身で情報収集をしたのは45%にとどまった。情報源(複数回答)は医師が88.4%と多く、次にインターネットが36%、家族が25%の順であった。治療選択において何を重視したか(複数回答)は、治癒率(55%)、予後と生存率(41%)、その治療で得られる最良の結果(37%)の順に多かった。選択した治療について92%が満足し、満足度は10点満点で中央値は8点(3-10点)であった。治療選択において医師からの説明に納得がいかないと回答したのはわずか5例であった。その理由は3例が説明の時間が短いことであった。治療方針決定の際、看護師が同席したのは43%にとどまり、方針決定に看護師が相談に加わったのは28%であった。【考察】大学病院においては、未だ患者自身が積極的に情報収集して治療決定に参加する傾向は少なかった。治療選択に対する満足度は非常に高かった反面、看護師が介入した例は半数以下であり、医師主導の傾向が強かった。今後は看護師をはじめとしたメディカルスタッフも積極的に介入し、より客観的に患者が治療意思決定をできる状況にしていくことが必要と考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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