演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胆管癌におけるプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブによる抗腫瘍効果の検討

演題番号 : O81-4

[筆頭演者]
白瀬 香子:1 
[共同演者]
竹崎 由佳:1、北川 博之:1、宗景 匡哉:1、花崎 和弘:1

1:高知大学医学部外科学講座外科1

 

目的と背景:分子生物学的研究により、ヒト培養胆管癌細胞株では転写因子であるnuclear factor κB(NF-κB)が活性化され、NF-κBの活性化が癌細胞の増殖及び生死の決定において重要な役割を果たす事が明らかとなってきた。胆管癌組織においてもNF-κB高発現症例では放射線治療に抵抗性を示し、NF-κBを制御する事により抗癌剤の感受性を増大するとの報告が散見される。近年、ボルテゾミブ(ベルケード)には胆管癌細胞株に対し強力なアポトーシス誘導作用を有する事が報告されている。我々はボルテゾミブ、ゲムシタビンの単独および併用療法の抗腫瘍効果についてMTT Assay法とWestern blot法を用いて検討してきた。今回、更にTUNEL染色とvivoレベルでの検討も加えたので報告する。材料と結果:抗癌剤感受性の違う2系統のヒト由来胆管癌細胞株を用いた検討の結果、ボルテゾミブ、ゲムシタビンの単独療法は共に細胞増殖を抑制した。またそれらの2剤を併用したところ相乗的な細胞増殖抑制効果がみられた。MTT法、Western blot法でも2剤の併用により強力な細胞死誘導効果が観察された。更にTUNEL染色にてアポトーシス誘導が観察された。vivoレベルの検討ではヌードマウスに胆管癌細胞株(HuH-28)を植皮した。ボルテゾミブ、ゲムシタビンの単独療法は共に細胞増殖を抑制し、2剤の併用投与によって相乗的に腫瘍径の縮小が得られた。考察と結語:臨床で投与されているゲムシタビンよりも低い血中濃度でもボルテゾミブとの併用療法により強い抗腫瘍効果が発揮され、高い細胞死感受性が得られた。また用量依存性に細胞毒性を有する従来の抗癌剤と異なり、ボルテゾミブとの併用療法はアポトーシス感受性を高め、殺細胞効果を増幅させる可能性が示唆された。したがって2剤の併用療法により、今後更なる予後改善が期待される。

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:分子標的治療

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