演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

イマチニブ治療に長期間有効なGIST患者におけるイマチニブ血中濃度の検討

演題番号 : O80-4

[筆頭演者]
澤木 明:1 
[共同演者]
稲葉 一樹:2、山田 智則:3、折戸 悦朗:3

1:名古屋第二赤十字病院 薬物療法科、2:名古屋第二赤十字病院 一般外科、3:名古屋第二赤十字病院 消化器内科

 

転移性あるいは進行性GISTに対するイマチニブ治療で、治療開始1年後にイマチニブの血中濃度が初日の約7割に減少することが報告されているが、長期内服患者の有効血中濃度は明らかではない。本研究の目的は、2年以上の治療効果が持続しているGIST患者の血中濃度を測定し、5年を越えて有効を示す症例の血中濃度と5年未満の症例を比較検討して、長期内服患者の有効血中濃度を明らかにすることである。対象は名古屋第二赤十字病院でイマチニブ治療を受けているGIST患者で、免疫組織学的にKIT陽性あるいはkitまたはPDGFRA遺伝子に変異を認める症例で、画像診断により切除不能と判断された25例であった。全例が2012年5月から2013年4月までの間にイマチニブの血中濃度が測定され、測定時まで増悪を認めずにイマチニブの継続治療がおこなわれている。治療効果の判定は腫瘍径の縮小と腫瘍内のCT値の減少を加味したChoi criteriaを用いた。男女比は男性14女性11、年齢の中央値は65歳で範囲は31から84歳、原発部位は胃10例、十二指腸5例、空腸または回腸6例、直腸4例であった。イマチニブの1日投与量は200mgが1例、300mgが14例、400mgが10例で、イマチニブ治療期間の中央値は3ˌ8年で範囲は2から11ˌ5年であった。全例における血中濃度の中央値は1098mg⁄mlで範囲は417から2220 mg⁄mlであった。血中濃度は、年齢、性別、体表面積、胃切除の有無、白血球数、血小板数、血清アルブミン、コレステロールやイマチニブの投与期間という臨床的因子と有意な相関を認めなかった。5年以上の治療効果が持続した長期投与群8例の血中濃度の中央値は1000 mg⁄mlで範囲は789から1785mg⁄mlであり、5年未満の短期投与群の中央値1195 mg⁄mlで範囲は417から2220 mg⁄mlよりも低値であった。両群の最低値は長期投与群が789mg⁄mlで短期投与群の417mg⁄mlよりも高値を示した。2年を超える有効を示す患者の血中濃度は417から2220mg⁄mlまでの広い範囲を示したが、5年を超える長期投与群の血中濃度は789mg⁄ml以上であった。治療開始1カ月後の血中濃度の低値が患者予後と関連すると報告されているが、長期内服中のGIST患者における適切な血中濃度は不明である。5年を越えるイマチニブ治療を行うために、血中濃度を789mg⁄ml以上とする必要がある可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:分子標的治療

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