演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

GIST同時性肝転移に対する治療戦略

演題番号 : O80-2

[筆頭演者]
菊池 寛利:1 
[共同演者]
太田 学:2、宮崎 真一郎:1、尾崎 裕介:1、飯野 一郎太:1、藤田 剛:1、平松 良浩:1、馬場 恵:1、神谷 欣志:1、坂口 孝宣:1、今野 弘之:1

1:浜松医科大学 外科学第二講座、2:浜松医科大学 腫瘍センター

 

【緒言】転移再発GISTにはイマチニブ(IM)投与が第一選択だが,IM単独での治癒は困難であり,近年IM中における外科的介入,特に肝切除の意義が見直されている.同時性肝転移を伴うGISTに対しては,IM投与が第一選択となることが多いが,外科的介入の意義など不明な点が多い.当科で経験した4症例を提示し,GIST同時性肝転移症例に対する治療戦略につき検討する.【症例】1) 57歳,女性.胃GIST同時性肝転移に対し,IM 400mg x 18ヶ月間投与し効果PR .IM奏効中に胃部分切除,肝左葉尾状葉切除術を施行.原発,肝転移巣ともにIMによる変性の中に一部viableな細胞を認めた.術後IM 300mg投与継続し,4年半無再発生存中.2) 53歳,女性.胃GIST同時性多発肝転移に対し,IM 300mg投与し効果SD.投与開始18ヵ月で原発巣のみ二次耐性となった.噴門側胃切除術を施行し,耐性病変を切除.耐性病変はMI:1-2/HPFと高増殖性でc-kit exon 11+13に二次変異.術後IM 300mg継続し,6ヵ月無増悪生存中.3) 73歳,男性.CTにて腹腔内巨大腫瘍・多発肝転移を認めたが術前組織診断できず.開腹手術(小腸部分切除術)施行.腫瘍は小腸原発で,腹膜播種陽性.c-kit exon 11変異GISTと診断.術後残存病変に対しIM 300mg投与にてSDを得たが,1年6ヶ月後に二次耐性となり,スニチニブ(SU) 37.5mg x 5ヶ月投与し効果PD.肝切除術施行.耐性腫瘍にc-kit exon 13二次変異を認めた.術後IM 300mg投与したが4ヶ月で残肝再発.SU 37.5mg投与にて効果PD.肝切除術後10ヶ月で死亡.4) 76歳,女性.巨大胃GIST多発肝転移,腹膜播種に対しIM 400mg投与し効果SDを得たが,心不全のため300mgへ減量しPD.SU 25mg投与にて効果PD.初回治療から1年5ヶ月で死亡.【考察】1. GISTの組織診が得られた同時性肝転移症例にはIM投与が第一選択だが,特に原発巣はheterogeneousで二次耐性が生じ易く,IM奏効中に外科的切除を施行すべきで,完全切除が可能であれば肝切除を併施すべき.2. IM投与後も切除不能症例の予後は不良で,多くでIM二次耐性を生じSU投与が必要となる.3. SU耐性に対する外科的介入は慎重に検討すべきである.4. GISTの組織学的診断が困難な同時性肝転移症例に対し原発巣切除術を行うが,術後早期にIM導入し,奏効中に肝切除を考慮すべき.【結語】同時性肝転移症例にはIM投与が第一選択だが,特に原発巣はheterogeneousで二次耐性が生じ易く,早期に外科的切除を施行すべきである.完全切除可能な場合,IM奏効中に肝切除を考慮すべきである.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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