演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

遺伝性乳癌卵巣癌症候群に対する当院の取り組み

演題番号 : O8-4

[筆頭演者]
小林 蓉子:1 
[共同演者]
川端 英孝:1、岩谷 胤生:1、田村 宜子:1、門脇 正美:1、三浦 大周:1、中澤 英樹:1,3、新井 正美:4、下村 昭彦:2、高野 利実:2

1:国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 乳腺・内分泌外科、2:国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 臨床腫瘍科、3:中澤プレスセンタークリニック、4:がん研有明病院 遺伝子診療部

 

<背景>近年、遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)に関連した診療が本邦でも実臨床として行われるようになってきた。遺伝学的検査の結果、BRCA1/2に病的変異が確認された場合は、乳房温存療法が相対的禁忌となること、またリスク低減両側卵巣卵管切除術(RRSO)が選択肢になることの2点を伝えることは、HBOCの診療の実際のなかでも特に重要な課題である。遺伝子外来が設置されていない当院では他施設の遺伝子診療部と連携することで、HBOCの診療に関わるように努めている。<対象>2011年6月から2013年4月までの1年11カ月間に、17例に遺伝子外来の紹介状を作成し、14名が実際に受診、遺伝カウンセリングを行った。このうち11名がBRCA遺伝子検査を実施した。今回はこの11例を対象として臨床経過を検討した。<結果と考察>乳癌発症時の平均年齢は40.2歳であり、11例のうち4例にBRCA1の病的変異を,また1例にBRCA2の病的変異を認めた。変異を認めた5例中2例がRRSOを受け、1例がRRSOを予定しており、残る2例もRRSOを希望している。BRCA1に変異を認めた4例はいずれも50歳未満のトリプルネガティブ乳癌症例で、卵巣癌あるいは濃厚な乳癌の家族歴を有していた。BRCA2に変異を認めた1例は、ER・PR陽性、HER2陰性で、母親に乳癌の家族歴を有していた。卵巣癌は早期発見が難しく、また進行癌の予後は不良であり、このため遺伝子変異を認める患者に対する卵巣癌対策は重要である。またBRCA1/2遺伝子の病的変異の有無は乳癌の術式決定にも影響するため、初回診断時からの対応が必要となる。11例中1例は乳癌の術式決定も目的として術前に遺伝子検査を実施した。20代の家族歴のないトリプルネガティブ症例で、病的変異を認めなかったため、乳房温存療法を施行した。なお、いずれの症例も対側の予防的乳房切除術(CPM)は実施していないが、今後の検討課題と思われる。<まとめ>BRCA1/2に病的変異が確認された5例を中心に、文献的考察を加え報告する。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:遺伝子診断

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